第25話 正式スタート 5

20時を過ぎ、本日3度目のログインをした。ただなあ、20時にログインすると日付けが変わったくらいの時間だから、ほとんどすることなんてないんだよな。


深夜だから、結局独房に籠って複製をするくらいしかすることないし、でもやりたいからログインしたたんだけどね。まあ、当たり前か。


複製をしながらでも、これからの予定でも確認しないとな。


まずは、人の流れが少なくなるまで複製をしながらだな。でも売れないかもしれないから、そこは悩みどころだけど。


それである程度、人の流れがなくなったら、槍を買いに行こうかなと思っている。


槍を買う理由だけど、僕の攻撃方法ってタックルか突進だから、槍がいいかなと思っている。


毎回、気絶するのは良くないからな。まあ、それで気絶しなくなるとは限らないけど。少しは良くなると思うのだ。


それで討伐系のクエストをやりたいのだ。


これが今考えたことだ。槍に決めたのは、βテストが終わった後いろいろ考えた結果だ。突進に1番合っている武器が槍だと思ったのだ。他には、盾って言う考えもあったけど、盾って武器じゃないからやめたのだ。


そんな流れで槍を買うことにした。それに所持金も4万ゴールドは超えているから、それなりの武器も買えるだろうからな。


そんな風に複製を片手間にこれからの予定を整理していたら、外が段々と明るくなってきた。


うーん、明るくなってきても外に出るのは、リスクがあるしな。まあ、今の時間ならいいかな?


それと今の問題の解決法だけど、もしかしたら、クロエさんが解決してくれるかもしれないし。少しなら大丈夫かな?


そんな考えで僕は独房を出て、ギルドの方に向かった。



ギルドに行くとはやり人はそこまでいなかった。だからスムーズに進み、クロエさんのところまで簡単に来れた。


「あ、零さん、久し振りですね」


「はい、どのくらい振りですか?」


「そうですね。200日振りくらいじゃないですかね」


「もう、そんなに来てなかったんですね」


「それで、また今日から復帰してくれるんですか?」


「いえ、今日は聞きたいことがあったので」


「そうなんですか。それでいつごろから、復帰できそうですか?」


「まだ、わかりませんが近い内にはできそうです」


「そうですか。よかった」


「それで聞きたいことなんですけど」


「あ、はい。なんでしょうか?」


「あの独ぼ──仮眠室って、取っておくことってできるんですか?」


「取っておくってどういうことですか?」


「あー、僕がクエストなどに行っている間に他の人に仮眠室を取られないようにしとくことです」


「それをすることはできません。早い者勝ちなので。力になれず申し訳ありません」


「いえいえ、気にしないでください。ダメ元で聞いたので。それでもう1つあるのですがいいですか?」


「はい、今度こそは力になれるようにします!」


「はは。それでこれって買い取ってくれたりするんですか?」


「ん?ポーションですか?」


「はい、そうですけど」


「ちょっと待ってくださいね」


そう言うとポーションをじっくりと観察し始めた。あ、こんなに長くできているのは、もう人が数人しかいないからだ。


それで、調べ終わったクロエさんは、


「これは零さんが作ったのですか?」


「はいそうですが」


「これを売る気でいるんですね?」


「はい、売れるのでしたら」


「それなら、この2つのポーションを売ってください!」


そう言って出したのは、パーセント表示のやつだった。


「あ、やっぱりそれですか。それで他の2つはダメなんですか?」


「はい、これでは、ポーションとしては質が低いので」


「え?そうなんですか?」


「はい、今の相場だと、だいたい劣化の方だと50はないとダメですし、ポーションの方でも200はないと」


「そんなに、高くなるんですか?!」


「はい、多分どこかには売っていると思いますよ?」


「はあ、先は長いな。それでその2つはなんでよかったのですか?」


「いえ、最近HPがやたらと高い人が多いんですよ。だから、こういう方が良かったりするのです。それで売っていただけるのですか?!」


「ええ、まあ」


「そうですか。それでは、どのくらいの値段にしましょうか。あ、そういえばこれってまた作れるのですか?」


「一応今大量に作っていますけど」


「え?ほんとですか?!なら、すぐに売りましょう!」


「は、はい」


僕はその勢いのままにそれぞれ10本ずつを売った。合計で1500ゴールドになった。ってことはポーションは1本100ゴールド、劣化ポーションは1本50ゴールドってとこだな。


結構はボロ商売だな。でもこれなら、自分でやっても売れるのでは?まあ、商売なんてしたことないからどうなるかはわからないからやめておくけど。


「ありがとうございます。また売ってくださいね」


まあ、普通にポーションを買うのと同じくらいにはなったからいいか。それにMPポーションと同じくらいの値段にはなったし。


そして、そのまま独房に帰ったけど、ちゃんと空きはあったからよかった。


独房に帰ってからは、MPを全部使いパーセント表示の2種類のポーションを複製しまくっていた。


MPを使い切った頃に僕はログアウトをした。


こうして、正式スタートした1日目は終わった。

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