第20話 学校にて 3
翌日、僕はあることに気づいた。
「もしかして、僕のキャラって強い?」
死ぬことがなく、それなりの威力がある。まだゴブリンしか倒してないけど。それに使い勝手がいいとは言えないけど。
不死って時点で最強だったと思うし。
でも今更だよな。もう少し早かったらよかったのに。まあ、あとは正式に始まってからだな。いやー、楽しみになってきたな。
最初なんか、絶望しかなかったからな。ほんと止めなくて良かった。
そんなことで気分がいいまま、月曜の学校に行った。
学校に行き、席着いていると、誠がニヤニヤしながら近づいてきた。
「に、ニヤニヤしてどうしたんだよ?正直きもいぞ」
「いや、別に特にはないが、ゲームの方順調かなって思っただけだが?」
「あっそ。まあ、順調だよ」
「そうなんだ。もしも、やる気がなくなったら、ゲーム機俺に譲ってくれよ」
「なんでお前に譲らなきゃいけないんだよ」
「譲らなくても貸してくれるだけでもいいけど?」
「だからなんでそんな話になってんだよ。僕に何か得なことでもあるのか?」
「ああ、貸してくれたら、俊のステータスでも攻撃できる方法を教えてやるよ」
「ああ、それならもう解決したから。そんなんだったら別にいいから」
「え?まじ?」
「ああ、昨日なたまたま見つけたんだよ。それにβテスト昨日で終わりだったぞ」
「ああ、それなら正式に始まってからでも良かったから別にいいんだけど。まじで知ってんの?」
「知ってると思うよ」
「じゃあどんな方法?」
「え?タックルするだけだけど?」
「はあ、終わった」
「お、おい、どうしたんだよ?」
「これで俺もVRゲームができると思ったのに」
「まあ、元気だせよ」
「じゃあ、俺にも貸してくれよ!」
「それはやだ」
「ぐはっ!俊の人でなし!」
「何とでも、言うがいい!それより、その情報何処から知ったん?」
「ふん!貸してくれないやつに教えてなんかやらないよ!」
「あーあ、教えてくれれば貸すこと考えたのに」
「ふん、そんなのどうせ考えるだけで、貸してくれないんだろ!そんな見え見えの罠に引っかかるわけないだろ!貸してくれるって約束してくれないと教えてなんかやらないからな!」
「はあ、やっぱそうだよな。じゃあ、自分で調べるからいいよ」
「え?調べないんじゃないの?」
「だってもう自分のステータスで絶望することなんて早々にないから、問題ないだろ?」
「ぐっ」
この時、誠あることを考えていた。粘り続ければ、しつこくて貸してくれると思っていた。だから自分で自分で調べるなんて、思ってなかった。
ここで、言えばまだ可能性があるが、言わなければ、絶対に貸して貰えない。
なら、言ってしまってそれに賭けた方がいいのでは?でも絶対に、貸してくれないよな。
それでも、可能性はゼロじゃない!
なら、その可能性に俺は賭けてみる!
と、そんなことを考えていた。
「わかったよ。教えてやるよ」
「ありがとう」
「その代わりちゃんと考えてくれよ」
「わかってるって。それで何処で知ったんだ?」
「ああ、普通に掲示板を見てて知ったんだよ」
「ふーん、そうなんだ。他には何かあったんか?」
「他には、モンスターを押し潰すこととかもできるらしい」
「へえ、そんなこともできるんだ。でもそれって誰でもできるん?」
「ああ、攻撃系ステータス0で試したらしいから、大丈夫だと思うけど。俺は、やってないからそこまでわからないけどな」
「そうなんだ」
「無視かよ。あ、そういえば」
「ん?どうしたんだ?」
「思い出したんだけど。なんか、このゲームって物理法則が通じるらしい」
「どういうことだ?」
「さあ?でもF=maって式でタックルにダメージが出てるらしいよ」
「へえ、でも僕らってまだ物理やってないからわからないよな」
「そうだよな」
「他には何かあるか?」
「いや他のは全然目に入ってなかった」
「そうか。いろいろとありがとう」
「別にいいよ。それより貸してくれるのか?」
「ん?ああ、それな」
「うんうん」
「貸すわけないだろ?」
「うわーん!鬼!鬼畜!ばか!」
「ちゃんと考えたけど、貸すメリットがないし。それにお前には貸したくない」
「なんでだよ!」
「お前がイケメンだからだよ」
「そんなのただの私怨だろ!」
「そうだけど?」
「それに俺の残念さわかってるだろ!」
「自分でそれを言うか」
「う、だからどうした!」
「まあ、いいか。この話はこれで終わり。お前がなんと言おうとも貸さないからな」
それから、いろいろ言われたけど、僕には関係ない。なんて言われようが関係ないし、誠ってそんなこと言ったらますます、自分の立場が弱くなるってわからないのかな?まあ、いいけど。
それより、いいこと聞けたな。でもそこまで活かせるものはなかったけど。
ああ、早く正式スタートしないかな。
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