第18話 最終日とレベルアップ 5

「なんで、レベルが上がってるん?」


僕は目を擦った。


「なんかの見間違いだろう」


そう言ってもう一度見るが、レベルが下がってはいなかった。見間違いではないようだ。


「えええええ?!なんで上がってるの?!いつ?どうやったの?!」


考えれば考えるほど意味がわからなくなってるくる。


「だって、ダメージが入らないから、レベルは上がらないはずなんじゃ?」


でも一つだけ思い当たる節はある。


「まあ、タイミング的にあのゴブリンを倒したときだと思うけど。それになんで崩落なんかしてたんだ?」


謎は深まるばかりだ。


そこである仮説を立ててみた。


「もしもだ、この街の壁がなんらかの方法で壊れないんだとしたら、すべてに説明がつくんだけどな。そんなことあり得ないか」


ゴブリンのところで気絶してたのは、おそらく僕が最初に街の壁にぶつかったのと同じ理由だと思うからだ。


まあ、考えていても始まらないな。


一旦ログアウトをして、それからまたログインをしてから考えますか。


ということで僕はログアウトをした。



ログアウトをするともうすぐ6時になりそうだった。


ということは、向こうで12時間いたことになる。そりゃ、クロエさんも心配するわけだ。


というか、早く居間に行かないと。


そろそろご飯の時間だからな。怒られるのはやだぞ。


でも特に怒られることもなくご飯は食べ終わった。


小言を言われることもなかった。でも逆にそれが怖かった。


そのあとはいつも通り、ではなく20時ごろにログインした。



ログインすると真っ暗だった。


まあ、深夜の0時だし、当たり前か。


ここまで変な時間にログインしたのは、タックルにダメージがあるか見るためだ。もしかしたらダメージがはいるかもしれないからな。


そして、ギルドの方には行かず、すぐに門の方に行った。


門番は相変わらず、いたけど。


これって通してもらえるのかな?


一応Dランクだし、なんとかなるか。


「おい、お前外に出たいのか?」


「はい」


「夜は危ないから、Dランク以上じゃないと出れないからな」


「そうなんですか。それなら大丈夫ですよ。これでもDランクなんで」


「ほう?なら、見せてみろ」


「はい」


「うーん、確かにDランクだな。なら、通っていいぞ。まあ、気をつけろよ」


「ありがとうございます」


外に出ると昼間と違ってすでにモンスターがうじゃうじゃいた。


「とりあえず、門からは離れてからやってみますか。見られてもいやだし」


そして、テレポートを使い、一気に森の近くまで来た。


するとここにはそこまでモンスターはいなかった。


「なんだよ。全然いないじゃないか。まあ、いいか。一体いればいいんだし」


僕は、比較的近くにいたゴブリンに狙いを定め、地面を蹴った瞬間、またも気を失った。


【ピコーン】


【レベルが上がりました】

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る