第16話 最終日とレベルアップ 3

体に感じる圧迫感で僕は目を覚ました。というか、身動き一つ取れる状況ではなかった。


それに辺りはさっきよりも暗くなっていた。


ん?どうなってんだ?さっきまでゴブリンが拘束していたはずなのに?


はっ!まさかさっきのは夢だったのか?!いやー、こんなゲームの中でも夢って見るんだな。


そんなことを考えていると、だんだん目が暗さに慣れてきて、周りが見えるそうになって、僕は目の前の光景に絶句した。


目の前には、一面の岩だった。


どうなってるの?!とりあえず落ち着け!こんなときはとりあえず深呼吸だ!


「スゥー、オエェェェ。くっさ!なんでこんなにくさいんだよ!オエェェェ」


あまりの臭さに早くここから出たかったが、周りが岩だらけで動くことができる状況ではなかった。


「とりあえずなんとかしないと、ここはまずい。でもどうすればいいんだ?」


そんなこもを考えつつ、今の状況を確認してみた。


おそらく、何らかの影響で洞窟が崩落したと考えるのが妥当だろう。でもなんで崩落なんかしたんだ?


「うーん、それにどうすれ──あっ!こんなときこそ、テレポートだろ!」


どうなるかはわからないが、もうそんなこと言っている場合ではない。


街が見えるところを思い浮かべながら、


「テレポート!」


そう言った。


すると一瞬の浮遊感ののち、僕は街の見えるところにいた。


「良かったぁぁぁ。なんとか帰れた」


もう、かなり疲れていたのですぐギルドに帰ることにした。



街に入る門のところで門番に止められた。


「おい、大丈夫か?」


「え?何がですか?」


「その血の量はやばいぞ」


「ああ、これなら、大丈夫ですよ。たぶん全部返り血だと思います」


「そうか、ならいいんだが。とりあえず、身分証明ができるものはあるか?」


「はい、これでいいですか?」


「ああ、これなら問題ない。通っていいぞ」


「ありがとうございます」


そのまま、街に僕入った。



ギルドまで行く道、すれ違う人全員に嫌な顔をされたが、どうしてだ?


そのまま、ギルドに行くと入った瞬間、全員がこちらを見て嫌そうな顔をしていたが、気にせず、受付の方に行った。


「あ、零さ──ん!?どうしたんですか、その血は!?大丈夫なんですか?!」


「はい、全部返り血だと思いますので」


「それなら、いいので──って、よくないですよ!なんでそんなことになってるんですか!それとちゃんと血を洗い流してください!」


「あ、洗い流すところなんてありますか?」


「そんなの当たり前じゃないですか!!あ、そういえば、そんな人でしたね、零さんは」


「あはは、今まで使ったことがないですからね」


「使ったことがなくても常識ですよ。それではとりあえず、洗い流してきてください。洗う場所はあちらになります。あ、それと女性専用のところがあるので気を付けてくださいね」


「あ、はい。了解です」



そして、その場所に行くとある程度人がいた。


ふーん、なるほど。こんなこともやらなきゃいけないのか。めんどくさいな。そこまで再現しなくてもいいのに。


そして、服を脱ぎ、体と服についた血を洗い流したのはいいのだが。


服、どうしよう?さすがに濡れたままは嫌だし。うーん。そうだ、乾燥を使えばいいんだ。


そうとわかれば、乾燥だ!


乾燥を使うといい感じに乾いてくれた。


よし、これなら着れるな。


そして、僕はギルドの方に戻っていった。

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