第5話 二次元愛好者・彩人

 明日もチャンバラをするという軽い約束をして、アルトリカは去っていった。

 俺の胸には圧倒的高揚感と満足感。そして魚の小骨が刺さったような、どうしようもない罪悪感。


「マナ……」

「そろそろ訓練は切り上げて、街を案内しますね。ちょっとだけ、部屋に戻ります」

「マナっ!」


 マナは顔を伏せて駆け出してしまった。俺はそれを黙って見送るほか無い。


「友達、か」


 マナは孤児院出身で、そのせいで差別を受けている。

 それを知っていながら、俺はきっと、マナを差別している相手と友人になってしまったのだろう。

 だから彼女はあそこまで狼狽しているのだ。

 友達の友達が、友達になれるとは限らないのだ。

 それは俺自身が、前の世界で身をもって経験したことだったはずなのに。


「いや、まだだ」


 だが、二次元美少女を悲しませて終わるようなら、俺は二次元愛好者など名乗っては居ない。

 まだ何も始まってないし、終わっていない。今から始めるのだ。

 二次元美少女を愛し、愛される生き様というものを。




 私はあの人の、雨上彩人さんの顔を直視することが出来なかった。

 通りなれた廊下を抜け、自室へと駆け込んだ。


「ふぅ……」


 高鳴る鼓動を感じながら、私は畳の上に寝転がった。


「どうして……こんなに、苦しいの?」


 とっくの昔に慣れていた、彼らの差別。

 自分の実力さえあれば、そんなことは瑣末なことで、取るに足らないことだった。

 でも、彩人さんがアルトリカさんの技を真似たり、お誘いを受けたのを見たとき、今までで一番、胸が苦しくなった。

 せっかく彩人さんが強くなる応援が出来ると思っていたのに。

 初めて出来たお友達の、力になれると。


「あ、そっか。そういうことなんだ」


 初めての友達。

 私には友達が居なかった。孤児院にさえ、気の合う友達など居なかった。

 孤児院にいる子供たちは皆が不良で、生真面目な私はどうしても彼らに馴染むことができなかったし、むしろ院長さんたちを困っている姿を見て、何も出来ない自分の無力感と罪悪感で心苦しい重いばかりしていた。

 そう、せっかくの、初めての友達を、取られると思ってしまった。


「……大丈夫、だよね」


 救世主様が、まさか自分を捨てることなんてありえるはずが無い。

 きっと、きっと私のことだって救ってくださる。きっと……

 だって、救世主様はこの世界を救ってくださるのだから。この世界に住む私のことだって救ってくださる。きっと……


「早く行かなきゃ。彩人さんを待たせちゃう」





 俺が門で30分ほど待っていると、マナは戻ってきた。


「すいません、お待たせしちゃって……」

「全然。それじゃマナ、よろしく」

「はい! よろこんで!」


 いつものマナのあり方に、俺は安堵する……わけがない。

 昨夜のときと同じように、マナの横について同行させてもらう。

 さて、マナの悲しみと不安を取り除くのはそれとして、マナの案内と、この街を楽しむことはまた別の話。全力で楽しませてもらおう。


「まずはここです」


 まず案内されたのは、武具屋だった。


「武器を買うならここですね」

「ふむ……大通りに大きな武器屋を見かけたけど、アレじゃダメなのか?」

「あそこは大量生産を重点に置いているので、安かろう悪かろうが多いんですよ。こっちの方が値段の割りに良い装備が手に入ります。とても欲しい一級品は、刀剣専門の鍛冶屋さんに行ったほうがいいですね。この次に案内します」


 マナの解説を聞き終え、一緒に入店する。


「ほーっ!」


 中はまるでスポーツ用品店のような形で、武器や防具が並んでいた。

 壁にずらりとかけられた多種多様な剣と盾。マネキンに着せられた鎧と兜のディスプレイ。

 商品棚には手入れ用品や小道具が所狭しと並んでいる。


「これはすごいな。わくわくする」

「でしょう? 武器屋さんってなんかわくわくしますよね!」


 乙女が武器でわくわくというのも、なんだか物悲しい気もするが、趣味趣向は人それぞれだ。


「金が無いのが残念だ」

「でしょう? でもわくわくして楽しいから、お金が溜まるまでこうして何度も励みにしてるんです」

「本当に哀しいことになってんな」


 武器が欲しいがお金が無いので眺めることで労働と貯金の励みにするとは。


「でも、私は給料も少ないから……お肉食べれるからいいんですけどね」

「それは、お前の出身が関わってるのか? 待遇に差があるんなら、給料にも?」

「分かりません。でもきっとそうなんでしょうね。でも生活には困ってませんし、食事だって無料ですし、貯金も出来てます。いずれは買えますよ」

「そうか、それならまあ」


 俺は何気なく良さげなデザインの剣の値段を見た。

 値札には100,000Rと書かれている。


「十万……アール?」

「ルピーです」

「ところでマナ、貯金はいくらほど?」

「一月の給料が1万ルピー。貯金は5万ルピーです」

「給料十ヶ月分……あと五ヶ月かぁ」


 ふと盾を見ると、そちらは4万ルピーと書いてある。小手は3万、鎧は30万から。


「一式揃えるのに少なくとも約50万は必要なのか……」


 あまりに過酷で長い道のりで途方にくれそうだ。マナがウィンドウショッピングで気力を充填しようとする気持ちも分かる。


「次はデパートに行きましょう」


 俺とマナは店を出る。店員の目線を背に受けながら。

 次に案内されたのは、大通りに大きくそびえ立つデパートだった。


「これまた随分と」


 両開きの木製扉を開けて中に入る。1階は食料品売り場だった。


「食料品はお城に勤めていれば、食事は無料で提供されるから必要ないんですけど、やっぱりお菓子とかは無いんですよ。だからここで」


 中は露店を屋内にありったけ押し込んだという感じで、お菓子とはいえその全てがその場で作られているものだった。

 パン、ケーキ、アイス、シュークリーム、たこ焼、ポテトフライ、団子、おはぎ。およそ手作りできる全ての品物の取り扱いがこの1Fフロアに集約されていた。


「二階と三階は服売り場なんですけど、やっぱりお金がなくて……」

「ああ……」

「それに、あんまり服とかに興味ないんですよね。女の子なのに」


 なるほど、通りで服がシンプルなわけだ。

 マナの恰好はとてもオシャレとは言いがたい。むしろ親近感を感じてしまうほどにシンプルだ。無地というわけでもないが、特に飾り気があるわけでもない。


「ちょっと早いですけど、昼食にしませんか?」

「それもそうだな。運動したから空腹気味だし」


 マナの提案により、少々早めの昼食をとることになった。

 悩んだ挙句、俺とマナは昼食にハンバーガーを選択した。


「まだまだ時間がありますし、いっそ外に出てみます?」

「外って、もしかして国の外?」

「はい。ちょっと魔物がうろちょろしてますけど、この辺りの魔物なら私一人でなんとかなりますし。魔物相手なら寸止め無しの実戦訓練にもなりますよ?」

「実戦訓練かぁ」


 チャンバラでも、試合でもない。本当の生死をかけた戦い。

 異世界との戦争において、相手を半端に生かす甘さは、必ず自身の死に繋がるだろう。

 ここまで来て、努力を無駄にするわけにはいかない。あの無価値な世界で行き続けた過去の自分の労力を、水泡に帰するわけにはいかない。


「よし、行こう」

「そう仰ると思ってました!」


 するとマナは急いで食べ終え、そわそわと俺が食べるのを待ち遠しそうにしなが見つめている。

 ようやっと食べ終えた俺の手を、半ば強引に引いていく。


「ま、マナ、そんなに慌てなくても!」

「あっ、ごめんなさい……」


 マナは咄嗟に手を離す。


「す、すみません。私なんだか今日は変ですね」

「いや、大丈夫。ほら、行こう」

「はい。こっちですよ」


 何とか落ち着きを取り戻したマナに誘われ、砦の門へと足を運ぶ。

 城と城下町を全て取り囲み、外部からの外敵の侵入を防ぐ砦。

 東西南にそれぞれ大きな鉄門があり、西には広大な平原と、いわゆる隣国へ続く道。南には森と山国へと続く道。東には港町へと続く道がある。

 俺とマナが向かったのは南の門。俺がこの国に入国した時に潜ったのも南だった。

 大きな鉄門をくぐり、俺は国の外の地面を踏みしめた。


「広い……」


 広大な平原。ごろごろ岩と、あちこちに樹木ががあり、草が生い茂っている部分もある。だが遠く彼方の地平線が見える。


「西はもっと広々としてるんですよ」

「へぇ」

「モンスターが居れば、腕試しが出来ると思うんですけど……」


 マナが周囲をきょろきょろと見回している。

 ふと、近くの草むらからガサガサと音がしたと思うと、ひょっこりと何者かの影が飛び出した。


「おっ、これは……」


 草むらから飛び出したのは、細身の身体にボロボロの衣服を纏い、刃が欠けすぎてノコギリ状と化した剣を手にした鬼面の人型モンスター。


「マナ、もしかしてあれは」

「ゴブリンですね。この辺りでは主流のモンスターです」


 ゴブリン。繁殖力が強く、基本的に集団で行動するが、その多さゆえにはぐれも多いという。


「ゴブリンといえど、気を抜けば致命傷は避けられませんから、気をつけてください。まずは相手の出方を伺って……」


 マナに言われるまでもなく、俺は剣を構えた。ゴブリンは明らかにこちらを威嚇していた。

 空腹なのか涎を撒き散らし、唸り声をあげながら睨みつけてくる。

 完全に戦闘態勢だった。


「ゴブリンは割と運動神経がいいです。防御と回避をすぐに出来るように用心してください」

「分かった」


 俺はすり足で少しずつ、ゴブリンとの距離を詰めていく。


「やっぱり、実戦は違うな」


 ゴブリンの持つ明確な敵意。アルトリカとのチャンバラよりも激しいその威圧感。緊張の鎖が体中を縛る。

 そもそもゴブリンが雑魚モンスターなのは戦闘職業についている人間だけだ。仮にレベル1の白魔道士が杖で戦えばなかなか良い勝負になるだろう。


「っ!」


 次の瞬間、ゴブリンは雄叫びと共に剣を振り上げ襲い掛かってくる。


「ぬおっ!」


 剣を剣で受け止め、無我夢中で押し返す。

 意図せず鍔競り合いになった俺とゴブリン。

 ここからどうする。どう動く?

 退くか、押すか、逸らすか弾くか。それとも……


 途端、ゴブリンは身を退き、互いが警戒しあう状態に戻る。


「……どうにもな」


 我ながら、自分の不器用さを自覚せざるを得ない。労働やめて旅をしていただけのことはある。だが、だからこそ。


「心のたがを外せるのは、人より自信があるぞ」


 ゆっくりと息を吸い、そして吐く。

 全身の体を力ませて、そして緩ませる。

 この殺し合いにおいて、あえての脱力。

 そして集中力も放棄し、構えももはや取らない。ゴブリンが威嚇するが、それすら思慮しない。

 澄ませる。意識をひたすらに研ぎ澄ませる。

 緩んだ身体に熱い血流が流れ込み、恐怖心が薄れると共に高揚感が全身を駆け巡る。


「……よし。これでいい」


 もはや恐怖は先ほどまでとは比べ物にならないほどに小さくなった。

 恐れることは無い。失敗すれば死ぬだけだ。ただそれだけ。

 この程度で死ぬ自分なら、この先、マイゴッドに託された使命だって果たせないだろうから。

 俺はゆっくりと剣を構える。


「来い」


 俺の挑発を理解しているのか、ゴブリンは再び甲高い叫びを上げて威嚇する。

 どうせ死ぬだけだ。死ぬだけだが、最後まで生きる。簡単なことだ。

 二次元愛好者の俺にとって、三次元で生き続けることの辛さと恐ろしさに比べれば、この程度は怖れるどころか、むしろ好ましい、嬉(うれし)むべき状況。

 ならばここは全力。全力で挑み、全力で楽しむ。殺し合いを、楽しむ。


 そして、俺は駆けた。

 アルトリカから教わったリラックスが言い知れぬ興奮をもたらし、自然と顔が歪み、頬が緩んだ。


「良い退屈凌ぎになるな。なぁ?」


 思わぬ攻勢にゴブリンは一瞬たじろいだかに見えた。しかし俺より実戦慣れしているのか、すぐさま迎撃の体勢を取る。


「なぁ!? ゴブリンッ!!」


 それはあまりに素人の動きで隙だらけのものであったろう。

 だが俺の声に怯んだのか、ゴブリンは回避より完全に防御の体勢を取った。

 その時間、たっぷりとマナから教わった技の発動に要した。


「踏み出し、引き」


 駆け足から、踏み出しへと足運びを移行すると共に、剣を大きく左に引き込む。


「踏み込み、同時に……」


 相手の足先を踏み潰すくらいの勢いで体重移動、踏み込むと同時、剣が瞬く。


「斬るァアッ!!」


 振り払う横薙ぎの斬撃。


「彩人さん!」


 だが、無情にも彩人の剣はゴブリンに受け止められる。

 ゴブリンの首筋に、僅かに切り込みを入れる程度にしか、刃が通らなかった。膂力が不足だった。

 ゴブリン自身も、俺の全力の斬撃を受け止め、嘲笑するような表情で見ている。


「てめぇ……」


 そのゴブリンの嘲笑が、あまりに三次元のように見えたから。

 あまりに憎々しく、忌々しかったから。


 俺の体は、俺の意思が言葉として口に出されるよりも早く動いていた。

 引いた剣を自らの頭上で回転させるように捻り、反対側から刃が通す。

 何が起こったのか理解する間も無く、ゴブリンの頭部がごろんと落ちた。


「てめぇは殺す」

 

 今の俺の表情は、歓喜に笑っているのか、殺意に睨んでいるの分からない。

 ただ、やはり、胸の奥がつっかえていたものが、すとんと落ちたようだった。

 心の噛み合わぬ物が、ピタリと嵌まったようだった。


 転がり、崩れたゴブリンを見ながら俺は、やはり……


「お、おめでとうございます彩人さん!」


 と、弾けんばかりの高揚に満ちた声に振り返ると、マナが目を爛々と輝かせている。


「凄いじゃないですか! やっぱり彩人さんにはセンスがあるんですよ!」

「そ、そうか?」


 マナがあまりにオーバーアクションなので、先ほどまでの感覚はどこかへすっぽ抜けてしまった。

 ゴブリンの死体を前にして、朗らかとした気分である。


「とはいっても、ゴブリン相手にこう苦戦してたらなぁ」

「でも初戦としてはかなり良い感じでしたよ? ちゃんと技も決まってましたし」

「技か。出来れば一撃でスパッと決めたかったんだけど」


 マナから教わった渾身の一撃でしとめられれば良かったのだが、アルトリカとの戦いで使った適当な技で終わってしまった。

 まあ合わせ技とも言えなくも無いだろうが。


「そこで臨機応変に二撃目を放てるところがセンスなんですよ。やっぱり彩人さんは救世主様なんですねー」

「いやぁそれほどでも。これもマナのおかげだよ。ありがとう」

「え、えへへ……」


 照れ笑いするマナを愛でながら、俺は剣を収めた。

 まあ、なにはともあれ、マナに褒められて悪い気がするはずがない。

 うれ


「とにかく、今日はお祝いしましょう! 初実戦勝利記念ですよ!」

「またお肉かな?」

「もちろんお肉です!」


 こうして俺の初戦はめでたく勝利で飾られ、マナにお祝いしてもらえることになった。





 お祝いは夜に。今はまだマナの町案内の続きである。

 のどかな街並みを歩き、観光を楽しんでいると、マナが声をあげた。


「あっ、ここです。ここが私が居た孤児院です」


 赤い屋根に、白い壁の建物。一階建ての家屋。


「なつかしいなぁ。ここにいた時から私、剣士になろうって頑張って、男の子ともチャンバラで遊んでたんですよ」

「元気な子だな」


 えへへ、と照れ笑いしながら、マナは楽しそうに話す。


「名前はマナだったんですけど、その、剣士になりたいあまり、ソードベルって名前まで作っちゃって」

「えっ、ソードベルって自作の名前なのか」

「はい。無い分の名前は自分で作っちゃっていいんですよ。皆かっこいいって言ってくれて……みんな元気にしてるかなぁ」


 マナは歳相応ではない目をして、懐かしむように遠くを見つめる。

 ふと気になって、俺はマナに聞いてみた。


「マナは、子供の頃に戻りたいって思ったことある?」

「えっ? 今も一応子供ですよ。14ですから」

「うっそだろ」


 妙に幼顔だと思っていたが、まさか16歳以下とは。

 そもそも14歳で兵士って。


「そういえば彩人さんはおいくつなんですか?」

「俺は……20は越えてる」


「またまたぁ。背丈だって私とほとんど変わらないですし、20にしてはちょっと童顔ですよ。もしかして私より年下だったり?」


 思わぬ見られ方をしているようだが、少なくとも高校は卒業している

 しかしマナには俺がそれほどに若く見えるらしい。イケメンというわけでもないはずだが。


「世辞が上手いな」

「またまたご謙遜を」


 まあ、ひどく醜いといわれないのだからいいだろう。


「今日はこの辺で終わりにしましょうか。彩人さんもお疲れでしょう。食堂で何か食べましょう?」

「そうだな。肉が食べたい気分だ」

「私もです!」


 こうしてマナの観光案内はひと段落した。

 俺とマナは観光を切り上げ、城の食堂で早めの夕食をとることにする。

 戦いの緊張は精神を実感以上に疲労させ、それによって身体にかかる負荷もまた、感じている以上に蓄積していたのだと俺は知ることになる。食欲によって。




 食堂、マナはコック長を見つけたとたんに、カウンターに辿り着く前に大きな声で注文した。


「おっちゃん! 彩人さんにSMPSを!」

「おっ、どうした。なんのお祝いだ?」

「今日は彩人さんが初めての実戦で勝利をおさめた記念の日です!」


 それを聞いてコック長は驚いた様子。そして自分のことのように嬉しそうに応えた。


「すげぇな。初戦で勝っちまうなんて珍しいことだ。それじゃあ急いで作るから、それまでこれで腹を馴らしちまいな」


 出されたのはローストビーフのような肉が白米の上に乗せられ、さらに濃厚なソースがかけられたものだった。


「よろしく!」

「お願いします」

「おう!」


 俺とマナは丼を受け取ると、昨日と同じ隅っこの席で向かい合って座る。

 そして、あっという間に平らげてしまった。マナとほぼ同じタイミングで。


「物足りない……」

「本当ですか? 彩人さんって小食みたいで心配してたんですよ。私みたいにいっぱい食べましょう!」

「そういえば、SMPSってどういう意味なんだ?」

「スペシャルミーターパーティセット。特別な肉食祝辞一式の略です」


 またえらくミラクルなネーミングしてる。


「あいよ、SMPSお待ち!」


 そして大型の七輪と大量の生肉。いわゆる焼肉セットで、盛大な祝勝会が行われたのだった。

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