第18話 葉華莉と父親

 田中と葉華莉がプラネタリウムの研究に試行錯誤している間、社長室で明日川と社長が何やら怪しげな会話をしていた。


「で、言ってしまうところだったんですか社長?」


「ああ、明日川君。シーナが止めてくれなかったらあの場でね」


 そう言いながら笑ってシーナを見つめる伊藤。


「危うく彼との約束を破ってしまうところでしたよ」


 明日川も笑いながら、そして何かを思いつめながらそう語った。


「面目ない。どうも、僕は嘘が苦手で何でも正直に喋ってすっきりしたい性格だから」


「しかし、結果がどうなったとしても一度は彼女に伝えないとね。彼から依頼されてからもう1年は経っているし」


 そう言いきる社長の顔は、それなりに人生経験を経た自身と覚悟に満ちたものだった。


「他に望ましいやり方があればいいのだけれど、この際計画通り茶番を演じて見ましょうか社長?」


「葉華莉ちゃんを騙す様で胸が痛むけれど、仕方がないかな」


 それから昼の休憩時間となり、社長は葉華莉と田中のいる工作室へと向かい明日川も含め外食にと近くのファミレスに誘った。


「珍しいですね、社長が私達全員を誘うだなんて」


 プラネタリウムの製作に専念できる喜びもあいまって上機嫌の葉華莉。

社長が店員に説明し4人でもまだ余るほどの大きなテーブルを要望し、皆それぞれ好きなものを注文した。


「まあ、たまには労いのつもりで部下にサービスしないと嫌われちゃうからね」


「そうね、社長は影が薄いですから」


 そう言い、片目をつむりながら社長を見る明日川。


「明日川君は、心に突き刺さることを平気でおっしゃるねぇ」


 社長は、嫌みったらしく言う。ただ、これも二人の場を和ませる演出に過ぎない。


「本当にそうですよ、今日なんか私、主任にコテンパンに言われて思いっきりへこみましたよ」


 しかし葉華莉はさっきのエーテル話の件を引きずっているのか、場の空気も気にせず明日川への不満を語った。


「はは、これ私の性格だから二人とも諦めてね」


 口でそう冗談を言う明日川。しかし、視線は厳しくある人物へと向かっている。 

皆の会話が弾んでいる中、田中の見覚えのある中年の男性が近寄ってきた。


「葉華莉・・・・・・」


 その聞きなれた言葉と聞きなれない声質に直ぐに反応した葉華莉。


「えっ、誰ですか? ひょっとして今、私の名前を言いましたか?」


 たまたま自分の名前に聞こえただけかと思い、見知らぬ中年の男性に問う葉華莉。

他方その男性を見た田中は、その顔に見覚えがあった様で


「あれ、あんた以前、会社の前にいた」


「ああ、あの時は失礼したね」


 そう言い、田中に頭を下げる中年の男性。そしてこう告げた


「私は、葉華莉の父親です」


「え?・・・・・・」

 

 葉華莉はその突然の出来事に、それ以上の言葉が見つからなかった。


「葉華莉さん、落ち着いて聞いて欲しいの」


 明日川は彼女の家族の事情がら、葉華莉が動揺することは分かっていたが


「ひ、酷い。みんなでこんな小細工して、酷いです!」


 そう大きく怒鳴った後、葉華莉は即座に店を出て行ってしまった


「田中君、追ってあげて」


 あせった明日川は、外側の席にいた田中にそう懇願した。


「は、はい」


 雨が降りしきる中、葉華莉は濡れながら傘を差している歩行者にぶつかりそうになるくらい闇雲に走り、田中はそれを制止させようと葉華莉の手を掴んだ。


「田中君もグルだったんでしょ。私が捨てた親のことを嫌いなのを知ってるくせに」


 今の葉華莉にとって皆が信用できなかった。


「いや、俺は知らない。だって、それ知ってたら怪しい男って自体喋るわけ無いだろ!」


 田中は自身の潔白を、語気を強めて主張した。田中の言い分は全くの正論なのだが、それ以上に今の葉華莉を留めたいと言う感情の現れである。 


「じゃあ、例の怪しい男の人ってあの人の事?」


「ああ、今さっき見て俺も驚いたよ」


「そうだよね・・・・・・田中君は」


 葉華莉は冷静さを取り戻し、それを見て安心した田中は強く掴んでいた彼女の手を緩めた。


「・・・・・・お父さんに会う気は無いの?」


 田中は緩めた手を繋いだまま質問する。


「うん・・・・・・」


 しっとりと服が濡れていて、うつむき加減の葉華莉はそう返事をかえすのがやっとだった。

田中は少しでも落ち着ける様にと葉華莉の手を引いて雨よけが出来る大きな店の前に来た。


「俺の勝手な推測だけれど、お父さんの方から来たって事は今までのこと謝りに来たんじゃないのかな?」


 田中は言葉を選びながら葉華莉の様子を伺った。


「・・・・・・そうかもしれない」


「それでも、許せないんだ」


「多分」


 そして、田中はかつて自分が父親にした反省を込めて葉華莉に伝えた。


「以前にも話したけれど俺の場合、親父に酷いことしてそれで二度と会えない状態になっちゃったからなぁ。生きている間にもう一度謝れる機会があるなら、ちゃんと謝りたかったよ」


「・・・・・・」


 田中の話を聞いて沈黙する葉華莉。


「それとも葉華莉さんのお父さんに、一回も謝る機会を与えずにこのまま分かれた方がいいの?」


 これは自分の後悔から葉華莉を真剣に思っての意見だ。


「わからない、どうしたらいいんだろう私」


「なら、話くらい聞いて見たらどう?」


「・・・・・・うん」


 二人は服が濡れた状態のまま店に戻り、店員に詫びとまだ出されていない注文分の精算を済ませ葉華莉の父と共に◎研究所に戻ることになった。

服が濡れた二人は、シーナと社長が持っていた丁度サイズの合う予備の服に着替え応接間に向かった。

応接間のソファーには5人が座り、葉華莉とその父は向かい合う姿勢となっていたが葉華莉は父と目を合わせ様とはしなかった。

 

 そして伊藤社長は重い口を開き、これまでの経緯を説明する。


「ちょうど1年くらい前に葉華莉ちゃんのお父さんがこちらにこられて事情を聞いていてね。でも、その時にいきなり来られても葉華莉ちゃんは受け入れやしないと思ってこちらから会わせるのは断ったんだよ」


 実の父とはいえ同じ会社で働く葉華莉への配慮は怠ってはいなかった社長。そして明日川も


「ただ、どうしても葉華莉さんを見捨ててしまった原因を本人に告げて謝罪したいと月一くらいのペースで来られる様になったの。ただ最近になって・・・・・・」


「二人とも、これまでのお気遣いありがとう御座います。続きは私の方から娘に話します」


 葉華莉は父の視線をそむけ続けていたが、葉華莉の父はこれだけはと娘に訴えるように告げた。


「実は、つい三日前に葉華莉のお母さんが亡くなってね」


 それを聞いても、ほとんど微動だにしない葉華莉。


「気付いた時には手遅れだったそうだ。お酒を沢山飲むことが多かったらしくてそれが原因じゃないかと」


「今後、私の身にも何があるか分からないし、その前に葉華莉に色々と伝えたいと思ってね」


 らしくというのは、妻でありながらその実情を夫が認識していなかったともいえるだろう。

しかし、それも次の理由があっての事だ。


「最初に話しておきたいことは妻、つまり葉華莉のお母さんとはとある事が切欠で、幼い葉華莉がいながら別れざる得なくなってしまったんだ」


 葉華莉の父がそう言うと、葉華莉は自分を捨てた親に檄高し


「とあることって一体なんですか!」


「自分達で勝手に作っておきながら、邪魔だから捨てただけでしょ!」


「そんな子供を捨てるだけの人間が、私の親なんか名乗らないで下さい。帰ってください、二度とあなたの顔など見たくありません」


 これまで積み重なってきた親への憎悪を全て目の前にいる父親に吐露した。ここに来て最早、聞く耳も持たなくなった葉華莉。


 葉華莉の父は顔をうつむかせ黙っているしか出来なかった。

そして葉華莉の父が会釈をしてその場を立ち去ろうとした時、そんな状態を見かねてか明日川が「とあること」に付いての話を語る。


「確か葉華莉さんのお父さんは、光学メーカー光蘭こうらんの社長のご令嬢とご結婚なされたんですよね」


「え? ええ、そうです」


 明日川から行き成りその様な事を質問され、葉華莉の父がそれに答える。


「光蘭と言えば老舗の大企業でカメラを主軸にレンズ開発においては世界でもトップクラスだったと聞きます」


 皆黙って明日川の、その話に耳を傾ける。


「ですが、途中から経営不振となり倒産。残った工場等の施設は海外に買収され、それまで光蘭を継承してきた蘭光路らんこうじ家はその責任を問われ一切の財産を失い飛散したと言われていますね」


「その通りです。当時、私は直接その経営の責任者の一人として携わっていました」


 粛々と答える葉華莉の父。


「もしかして、その事と葉華莉さんが施設に預けられた事と関係があるのではないですかね?」


 まるで、準備を整えていたかの様な明日川の指摘に対して葉華莉の父はかつての話を語った。


「そうです。当時、蘭光路家を中心とする経営陣は本来のカメラやレンズに関する研究を蔑ろにして投資信託を中心に利益を得ようとしていました。最初こそは良かったのですが次第に陰りが見えてきて結果、会社の本命であったカメラ関係の品質と信用が落ち、気付いた時には会社は破産状態となっていたのです」


 しかし、それだけでは葉華莉の父が娘を捨てる理由にはならない。単に会社が経営破綻したに過ぎないのだから。


「でも、それと葉華莉さんを捨てた理由って結びつきませんよ。会社が潰れたところで別の会社で働けばいいことですし、それとも自分の子供一人を養うのにも事欠いていたんですか?」


 田中でもその事に気付いて、葉華莉の父に尋ねた。


「それは・・・・・・」


 どうも葉華莉の父は自分の口からは言いたがらない様子である。


「神道さん、このまま娘さんに誤解されたままでいいんですか? それともこのまま別れますか?」


 社長は誤解という言葉を使っていた、本当の事情でも知っているのだろうか。


「・・・・・・私は、光蘭の経営が落ち込む前に首にさせられたのです」


 この時、明日川が自分の会社から辞めさせられた事を思い出し質問する田中

 

「ひょっとして、その経営陣とかに異を唱えたからとか?」


「ええ、カメラ事業という光蘭本来の事業の目的を忘れ、にわかの投資信託では一度失敗すると取り返しが付かなくなると分かっていましたから」


「私はそれまでは社長に期待され、社長の指示でその娘と結婚しそこで葉華莉を設けました」


 ここで自分の出生を知った葉華莉は、何時しか父を見つめその話をしっかり聞き入れていた。


「しかし、私の提案は彼らには受け入れられず、会社を首にされ会社の後継者とする流れで娘の親権を半ば強引に社長達に奪われてしまったのです」


 止むを得ない事情が父にあったのは葉華莉には理解したが、それでも我慢できない様子である。


「大体の事情はわかったわ、それでその後没落したその一家の一人の私の母が私を仕方なく育てて挙句の果てに見捨てたと言うこともね」


「私は後継者とかいうどっかの詰まらない理由で作られて、おまけに面倒を見切れなくなったからゴミみたいに破棄されたんだ」


「何で私、生まれて来ちゃったんだろう。本当に、愛情も無いくせに子供なんて作らないでよ」


 葉華莉が一番欲しかったのは、その愛情だった。親からの愛情、その他のいかなる事情も彼女を納得させるには至らなかった。


「すまない、葉華莉」


 深々と頭を下げ、謝罪する父親。


「すまないじゃ、済まない。私がどれだけ辛かったか、心細かったか、惨めだったか、貴方に分かるんですか!」


 葉華莉の父に対する断罪はとどまる事は無かった。


「私は葉華莉が施設に送られた時に迎えに行く事が出来なかった。親権を失った時に自分には娘を引き取るに値する親の資格がないと感じたから」


「葉華莉、ほんとうに申し訳ない」


 手をテーブルに付けて深々と娘に謝罪する葉華莉の父。それでも、にらめ付けるような形相をする葉華莉。そんな時、伊藤社長が彼の肩を叩いて慰める。


「そんなこと無いですよ、葉華莉さんのお父さん。確かに娘さんを引き取らなかったというのは過ちかもしれませんが、代わりに施設に色々と寄付したではありませんか」


 何故かそんな裏事情まで知っていた社長。


「そ、それは養育費分はと施設の方に渡しただけで」


 照れ隠しかそれとも娘に対する罪の意識からか、葉華莉の父はそれをやや否定しようとしていた。しかし、明日川が決定的なことを告げる。


「私が調べたところ、一人分の養育費を遥かに超える額を支払っていたみたいでしたよ。おまけに時折、施設の子供達に公平にプレゼントも渡していたみたいですね」


「あ・・・・・・」


 葉華莉は施設へのプレゼントの響きに敏感に反応した。同時に田中もそれに気付く。


「ひょっとしてあの望遠鏡をくれた人って、葉華莉さんのお父さんなんじゃ?」


 葉華莉は動揺しているのか返事をしない、そこで当の本人に聞いてみる田中。


「葉華莉さんのお父さん、その施設に望遠鏡をプレゼントした覚えはありませんか?」


「ええ、確かに覚えがあります。あれは葉華莉を初め施設の子供達の為に私が作った手作りの望遠鏡です」


 葉華莉の父はそういい、軽く頷いた。

 

「葉華莉さんは、その望遠鏡を貰って夢が出来たんです。それに、これを渡してくれた様な人が父親ならいいのにって」


 田中は葉華莉のその手作りの望遠鏡から始まった宇宙への興味への経緯を告げる。

そして葉華莉は顔をうつむかせ、その頬には一滴の流れを作っていた。


「ここまでする人が、自分の子供に対して愛情が無い訳ないじゃない?」


 田中のこの一言で、葉華莉の目からはいくつもの大粒の涙が零れ落ちていく


「葉華莉」


 そう優しく語り、娘を見つめる父親


葉華莉は自分の父親の潤んだ目を見つめ大粒の涙を落とし、こう呟いた


「・・・・・・お父さん」


しばらく沈黙が続き社長が葉華莉に優しく語る


「葉華莉ちゃん。もう、お父さんのこと許してあげられるかな」


「うん」


「ありがとう葉華莉」


「わ、私もありがとう・・・・・・お父さん」


 二人は抱きしめあい、少し照れながら返事をかえす葉華莉。

こうして葉華莉と父との和解により葉華莉の心には、これまでにはなかった安堵感につつまれた。父と娘の二人は二言三言会話を交わしそのまま時が過ぎていった。


それから暫く経った後、娘の葉華莉の横で父親は改めてこれまでの礼を語る。


「皆さんには、何とお礼を言っていいやら・・・・・・。できれば今度、茨城にある実家の神社に是非いらして下さい。歓迎いたします」


 それに対して社長はやや遠慮して


「いや、そこまで気を使わなくても」


 しかし、遠慮の欠片も無い明日川が


「それはあり難いですよね、社長。近々みんなでお邪魔しましょうよ、葉華莉さんの実家に」


「ええ、いくらなんでもそれは」

 

 社長が焦って明日川の暴走を止め様としたが、明日川は耳打ちで返り討ちにする


「こういった強引な展開にでもしないと、葉華莉さんが実家に行く口実が作れないでしょ」


「そ、それもそうだな」


 社長はすぐさま合意した。何処までも策士な明日川


「葉華莉さんのお父さん、それでは出来るだけ早くそちらに伺いたいと思います」


 態度を豹変させ、軽く会釈する社長。 


「そうですか、場所は茨城県のひたちなか市にありまして・・・・・・」


 葉華莉の父から場所を聞き、スマホで何かを確認しながら日取りを決める明日川


「では、2日後にそこらにお邪魔するということで」


「え、どうして2日後」


 行き成りの事で驚く田中


「だって、天気予報を調べたら梅雨の中休みがその日くらいしかなかったからね。どうせなら晴天の方がいいでしょ?」


 計画性も決断力も半端ない明日川に田中は


「決断早っ」


 脱帽状態だった。 


「そうだ。葉華莉さんは、お父さんと一緒に行かないの?」


 葉華莉に気遣う田中


「え、私は皆さんと一緒でいいです。第一、田中さん車持ってないんでしょ? 私が乗せてってあげなきゃ」


 葉華莉は、父やこれから会うであろう親族に対する照れ隠しに田中を利用した。会社の皆が一緒だと安心するからだ

そうとは知らず田中は


「そうだったわ、折角の親子水入らずに水を差して悪いけど頼むよ」


「はい」


 葉華莉は笑って返事を返した。


「明日は茨城への旅行の準備でお休みと言う事で、明後日の朝の7時にこの会社に集合と言う事で、解散」


社長の号令と共に解散した後、神道の父は皆に深々と頭を下げその場を後にした。皆もそれぞれ別れ田中と葉華莉だけが残った。


「どんな所なんだろうね、葉華莉さんの実家って」


 と少々遠足気分で楽しみな田中。


「私も分からない。父と神社らしき建物でお参りしたぼんやりとした記憶はあるけれど、それが実家はどうかまでは」


「そうなんだ。でも苗字で神が付くのは、大抵先祖に神官とかに関わっている人が多いって聞くから葉華莉さんって神社の血筋って証拠だよ」


 田中の大して役に立たない無駄な雑学である。


「そうなのかなぁ、まだピンとこないけれど、とにかく今までありがとう、田中さん。あの時、田中さんに腕を掴まれていなかったら私、何も知らないままだった」


「いや別に俺は単に無我夢中だっただけだし、大したことは。そもそも俺も知らなかった主任と社長の怪しい計画が良かったというべきか」


 二人のリサーチ能力には敬服するばかりの田中。しかも、大半は明日川が調べた事なのだろう。


「結局私、主任には勝てないんですね。一歩も二歩も先に進んで私の親代わりみたいで、最終的には感謝して」


 ため息を付きながら、グチをこぼす葉華莉。


「あの人は、ちょっとおかしいんだよ。正直、釈迦の手のひらの猪八戒の気分だわ」


 田中は狙った訳ではないが、葉華莉がそれに乗って


「ふふっ。猪八戒だとその内、主任に食材にされてしまいますよ。でも、いつかそこから抜け出して見たいですね」


 葉華莉は視線を上に向けて、そう語る。


「その為にも新しいプラネタリウムを作って、主任をびっくりさせたい様じゃないの」


 田中は葉華莉を見ながら、その呼び水となるプラネタリウムの話を持ち出した。


「うん」


 そう返事をし、視線を上に向けたまま少し微笑む葉華莉


「ついでに、完成したらお父さんにも見せてあげたら」


 田中は、雨が止んだ雲の切れ間から出る日差しを眺めながらそう語った。


「・・・・・・うん」


 そして、彼女の顔は何時しか満面の笑みとなっていた。

 


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