第15話 --1章 仲秋 Ⅱ--

これは人生に関わる問題だ。


18才未満だと相手が男でも捕まってしまうのだろうか。


シモで警察のお世話になるなんて最悪だ。


だからとっさに否定する。


違う、家出した少年を保護したんだ。


私は彼に言われて仕方なく宿を貸したんだ。


話をすればタクシーからの記憶も甦るかもしれない。


まずは少年に事情を聞かなくてはならない。


落ち着いたところで警察へ連れて行こう。


そしたらきっと感謝されるに違いないんだ。


不安を打ち消すべく、そう何度も自分に言い聞かせた。


会社に午前休の電話をしようとして、携帯をベッドに置きっぱなしだったことに気がついた。


彼を起こさないようにこっそりと手を伸ばす。


彼を乗り越えるべく、手をついたはずみでベッドが大きく沈む。


「……ん……?」


揺れた振動で少年が眼を覚ました。


至近距離に彼のあどけない顔がある。

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