第14話10YearsNEWWORLD“LOSTAGE”《ダジェリン編》

10YearsNEWWORLD“LOSTAGE”《ダジェリン編》

 冥暦元年。

今から五年前・・・・・

突如次元を渡り歩き時空を旅して老けたダジェリンが、青空で布教していた。

側に居たのが、目付役兼教皇のディゾンが昼からシャンパンを飲んでいる。

「教皇様。お酒は面前に控え下さい」

「良いジャン!良いジャン!異空間や時空は辛いよ、ヴァチカンもなくなってわたしむしょくだよ!慰めてよ!淫行も良いジャン!私を孕ませてよ!良いジャン!良いジャン!」

「違います」

パチンと掌で教皇を叩き赤く頬が腫れる。

ディゾンは、免罪符の販売に、布教活動もギリギリに必死に生き抜くREALを手に入れる為にダジェリンと行動を共にした。

「この札ぁ~買って下さい。買ってくれませんか?幸福になりますよ。天国に行けますよ。幸福ですか?義務ですよ。幸福ですか?義務ですよ。幸せですか?果たしてますか?義務ですよ。義務ですよ。幸福ですか?義務ですよ。幸せじゃねぇったら、絞首・斬首・電気釜・ギロチン・火あぶり・生き埋め・惨殺・刺殺・ゆで釜・水攻め・アイアンメイデン・水責め・爆発・手榴弾・毒ガス・ガス・油・死ねっ!こわーい、幸せすぎて逝こうぜ!嘆き悲しみは想いっきりぶち込もうぜ!笑いたきゃ嗤えば良い・・・・悪いけど、賢くはないさ・・・心で考えるタイプで、ギザギザで牙を剝きだしてオレ流STARTDASHで逝こうぜ!REALを求めるのですよ!幸福ですか?義務ですよ。幸福ですよ?幸せですか?果たしてますか?じゃぁ、この札買って、ねぇー、クソ!ハーハーハイーハー幸せじゃねぇのだろうが、ギリギリで生きていけば良い、神はあなた達のために罪を背負い天に召されようとしてんだよ。テキトーなノリデバクレテ嘘並べったて世界は変えられはしない。良いか?この札一枚買うだけで、おめぇら助かるんだ?」

出た。

出た。

ダジェリンは呆れながら小銭を受け取って一枚一枚札を農民に手渡しした。

この歌は、ディゾンが旅先で考えて歌って勝手にCDも売っている。

農民が怯えて天に祈ることが多い。

ダジェリンはストレスで老けてディゾンも世界崩壊消滅後・・・・神聖エルセリウスにて、ヴァチカン再建の夢の為現在無職ニートホームレスの詐欺師同然の生活を送りつつ青空で布教活動も積極的に行っていた。

(いい加減ディゾン様ご自身この歌のせいで、とでも言いませんが、ハァー)

 CDもその日は手渡しで売りディゾンは儲かったお金を近くのコンビニ(セヴンイレヴン)まで走りATMに振り込んだ。

「ヒャッハァァァァッッー!四億Vジャン!今までガチで苦労した甲斐が報われるな、リアルなギリギリ生活だったが、ヴァチカン創るぜ!おうよ、ヴァチカン!ヴァチカン!ヴァチカン!ヴァチカン!デカイ世界の先にREALを超えていこうぜ、見つけに逝くとするか、これで私も復権して復職階級のディゾンだよ。・・・・フゥ」

 ああ。

REALFACEが世界中に響く中ダジェリン達も一歩ずつ政府に向けて歩き出してディゾンは、嗤いながらコンビニでチューハイを買い馬に揺られながら蒼空を眺めていた。

「あっ、ダジェリン?最近小さくなったんじゃねぇか?」

「言葉を慎みなさい。べつに・・・別に・・・・小さくなったわけではありませんが、私は元々のサイズです。背伸びでも豊胸でもございません。」

「フゥ・・・・ハァー、ったくよ、私も元はGだよ。訳のわからねぇー、世界放り込まれて気付いたら見ろよ、ダジェリン?見ろって、Hだ!1ランクアップだぜ、ハッハハハハハハハハ」

ディゾンの名は初代教皇ディゾン・リアレストから十六代続いているが、一番態度・口・性格・性根が悪く腐り果てているのが現在の教皇。

それにロックな服装を着てギター担ぎベースやアンプまで持ちパソコン七台も鞄に入れてCD制作も行っている。

本人が、よく歌いこの世界では神曲とされて“KAT-TUN”《REALFACE》が神聖エルセリウスのメイン曲で、歌われ続けてそれぞれのアレンジやカバーが多い。

ディゾンは、髪は金髪で黒いコートを着て耳に鳥の羽根飾りをして首には、十字架に剣に月桂樹のペンダントをぶら下げて服は黒で統一。

メイクもメイクで、一目瞭然。

ゲバゲバのキャバ嬢メイクに髪の毛も盛って盛ってダジェリンが側に居るだけで全然違いすぎる。ディゾンもそれは分かるが、教皇職を失い無職ニート暮らしで、剣術にも魔導にも優れていて政府の臨時営利組織武装集団“DRAGONTALE”に所属して犯罪者共制圧で賞金を稼いでいた。

ダジェリンも腕を上げて、究極禁忌魔法(アポフィス(究極宇宙創生破壊魔法)・グランデア・ロ・ヴェフュファース(究極魔導超絶限界突破魔法)・リアルフェイス(究極精神増幅魔法))も習得した。この長い長い時空の旅は、二人共に力を与え無事に十年があっという間に過ぎ去っていた。

 冥暦4年

政府の円卓に深々と座りダジェリンは音楽を聴いていた。

勿論ディゾンがカバーしてお金を稼ぐつもりで新世界のカラオケバトルに賞金を稼ぐつもりで乗り込み乱入してこの曲だけで稼ぐ姿を援助助言して共に生き抜いたのを側に見守り支えていたのはダジェリン本人だ。

KAT-TUNのリアルフェイスのアップデート版をガンガン聴いていた。

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