第5話 単純に考えて

冷静に考えて、子供のうちに親をなくすのは単純に辛いことである。そんなのはみんな一緒で、施設に預けられたり、親戚に預けられたりと、「他人とは違う」生活を送ることを強いられてしまう。


しかし、うちはそういうわけにもいかなかった。施設に入れたくないが、頼れる親戚すらいないから、唯一親と子供両方が古くからの友達である優太の家に居候させてもらえたわけである。お互い仲がいいとはいえ事情が事情なわけで、気を使いあいながらの生活だったが、そんな生活にもようやく慣れてきた、そんな矢先のことだったから、尚更だ。


なんで父親まで死ななくちゃいけなかった。

それも、また二人ともだ。

なんで、子供のうちからこんな……


俺は完全に壊れた。


もう全部が、どうでもよくなってしまった。


家族も、家も……そして、優太も。



俺は家に寄り付かなくなった。

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