第2話 勇気を出すよりこのままで

優太のことを好きになってしまったのは、いつだろう。




いや、自分が「男」しか愛することができない人間だと気付いたのは、いつだろう。





最初は受け止められなかった。

受け止められなくて、なんとか「普通に戻る」その一心で奔走した。


女に手を出しまくってみたりした。女のたくさん映ったエロ本を読み漁った。AVだって見た。




でも、どうにもならなかった。


興奮どころか、勃つこともなく、それどころか吐き気が起きるまでだった。




それでも認められなくて、どうしようもなくて、子供ながらに死にたいとまで思ったほどだ。




これが・・・小学四年生くらいだったっけな・・・




そして、優太のことを好きになってしまったと気付いたのも、その頃だった。





どうすればよかったんだ




何を、何を、俺は・・・あの時、あの時だって!!





『想いを!伝えられたのにっ!!』




・・・勇気がなかったなんて言い訳だ。


いや、別に間違ってはいない。怖かったんだ。




幼馴染という最高の関係を崩したくなかったんだ。









ただ、それだけだったんだ・・・

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