第16話 俺の知らない昨日の夜(3)
「あっ・・・んっ・・・」
ゆったりとした悟のペースに流されっきりである。
さっきからずっと、おれの右乳首ばっかを舐めたり、吸ったりの繰り返し。
俺の素肌の上に、悟の体が乗って、体温が伝わってくる。
すごく熱くて、自分も熱くなってしまいそう。
「優太」
「なんだよ」
「ここ、して欲しいの?」
「は?」
「乳首だけじゃ足りないって顔、してる」
「そ、そんなことねぇって」
嘘だ。本当はもっともっと愛撫して欲しい。
俺のモノを口に含んでしまって欲しい。
俺をもっと、感じさせて欲しい。
「俺も、脱いでいいか?」
顔を真っ赤にして悟が俺に聞いてきた。
酔っているわけじゃない。はず。
「そ、そんなこといちいち聞くなって!」
もう、最後までする覚悟はできている。
「そっか。わかった」
ゆっくりと悟が上を脱いだ。どこで鍛えているのかわからない、悟の筋肉が、めちゃくちゃエロくてたまらない。
下はもったいぶっているらしく、脱ぎきらない。でも、ズボン越しでも、悟のモノが限界まで勃っているのが見える。それがもっとエロい。
「悟、そこ、キツくないのかよ」
「キツイよ、自分も、こんなに勃つとは思わなかったってくらい。」
そう言いながら、悟が俺のモノに手を伸ばしてきた。
「あ、ちょっまて!」
「なんだよ、して欲しいんじゃないのか?」
「あ、いや、そう・・・かも・・・んっ、」
「握っただけで反応しすぎだって、可愛いな」
「う、うるせぇ!バカにしてんのか?」
「違うっつの、可愛いは可愛いだよ、素直に喜べよ」
「男に可愛いとか、その神経がわからねぇよ。バカ」
ちょっと反発すると、悟はすぐに可愛いっていう。
どこが可愛いのかわからないけど、
好きな人に可愛いって言われるのは、嫌な気がしない。
・・・鈴木先生って、なんだったんだ。
ふと、雑念が頭をよぎった。でも、そんなことを考えている隙すら与えてくれない。
悟は優しく、でも力強く、俺のモノを扱き始めた。
「あっ・・・ん・・・」
「優太、お前自分で抜いたりしないのか?」
「す、するときは・・・んっ・・するけ、どっ・・・」
「なれてないんだな?」
そういうわけじゃない。他人にされるのに慣れてるやつなんていないだろ!ましてや・・・悟になんて、何度想像したかわからないくらい・・・。
「まぁ、感じやすい体してる方が、俺は楽しいけどな」
笑いながらそういった悟の顔が、最高にエロかっこよかった。
ダメだ・・・おかしくなりそう・・・
そう思った瞬間、今まで感じたことのない感覚が俺を襲った。
「ひゃっ!ちょっ、なんだよ!」
驚きから、今まで出したことのないような声が出てしまった。
「ひゃって・・・なんだよそれ。そんなに気持ちよかったか?」
「気持ち良いっつーか、焦った・・・」
何をされたか、やっとわかった。俺のモノを、悟が口に含んだのだった。
すげぇ。こんなに気持ちいいのか。フェラって・・・
「初めてだとさ、これ、すげぇ効くだろ?」
「き・・・あっ、効くっ、んっ、あぁ!」
悟の口の中、すげぇ熱い。やばい。やばいって。
「ダメっ離せ!ヤバイって、これ!」
「なんでだよ、こんなに体は嬉しそうにしてんのに、」
「そういう問題じゃない!・・・ダメだって」
聞く気がない悟は、俺のモノにがっついて、先の方を舐めまわしてくる。
「あっ・・・がっ・・・」
やられっぱなしだ。感じさせられてばっかだ。
完全に俺のモノが悟の口に入った。
まるで、何日かぶりの食事にありついた獣のような勢いで、俺のモノをしゃぶる。
ジュブジュブと、エロい音がたつ。
「おとらけれも、そそるら」
加えながらしゃべる悟。その振動が俺のモノをさらに刺激する。
「しゃっ・・・しゃべんなっ!響くから・・・」
「お、わかっらわかっら、もっろきもちよくしてほしいんらな?」
もうほとんど何言ってるかわからないけど、そう言って悟は、根元を扱きながら、先の方を円を描くように舐め回す。
感じたことのない快感に、体が震え上がって、自分の意思に反して声が漏れる。
「あっ・・・そこっ、ダメだって!マジで、イっちゃうからっ!」
「イっちゃえよ。全部、受け止めてやる」
今度は俺のわがままを聞いて、口を離してから話してくれた。けど・・・
「う、受け止めるって・・・正気かよ!」
あの味。苦くて臭い、『失恋の味』のはずだったあの味。
それが、悟が受け止めてくれることで変わるってことだ。
根元を扱く速さが増す。
それに比例するように快感が増していく。
「あぁっ・・・イ、イクっあっ・・・あぁぁ!!」
その瞬間、体が飛び跳ねた。
悟の口の中に出してしまった。
「んっ・・・」
「ごっごめん・・・我慢・・・できなくて・・・」
「なんで謝るんだよ、出せって言ったの、俺だし」
そんなこと言ったって、汚いだろうし、不味いだろうし・・・
「すげぇいい味。マジ、最高の気分だ」
どこがいい味なのだろう。
俺のどこがいい味なのだろう。
悟の喉がゴクリと音を立てた。
「の、飲んだ・・・のか?」
「ああ。ダメだったか?」
「ダメじゃねぇけど・・・汚ねぇだろ・・・」
「汚くねぇよ。だって、お前のだろ?」
「お、俺のだからなんだってんだよ、汚ねぇのは変わらないって、」
「そこは、気持ちの問題だろ?好きな奴のものだったら、なんだって最高だよ」
・・・今なんて言った?
「・・・好きって・・・本気なのか?」
「は?本気って、どうして・・・」
「別な奴いるんじゃないのかよ・・・」
「だから!何回言ったらわかるんだよ!・・・俺には相手はいないって。」
「そんなの、よくわかんねぇよ!だって、鈴木先生と寝てんだろ?お前!」
「・・・その話は、今度なって言っただろ?」
「それじゃあ納得いかねぇって言ってるんだよ!」
「・・・お前と・・・」
「え?」
「お前と寝られねぇから、イライラがたまったんだよ・・・」
「なんだよ・・・それ」
「お前が好きで好きで仕方なかったんだよ!でも、俺がお前に告白してみろ、もしお前が理解できない人間だったら、傷つけてしまうし、嫌われかねないだろ!」
これは・・・俺と全く同じ理由だ。
悟もずっと、同じことで悩んでたんだ・・・
「俺も・・・ずっと好きだって伝えたかった。悟に。でも、怖かった。怖くて怖くてたまらなかったよ。それこそ、嫌われるなら、黙ってたほうがいいとおもってた」
「俺も、今なら面と向かって言える。 好きだよ。優太。」
「あ・・・えっと・・・」
「お前は、どうなんだよ・・・」
わかってるくせに・・・ほんと、性格悪い。
「好きじゃないわけ・・・ないじゃんか・・・」
「・・・だよな、知ってる。」
「・・・詳しいことはさ、明日、しっかり聞くから」
「ははっ、お前らしいや。いいよ、やましいことは何もないから、ただ、ちょっと気分は悪くなるかもな」
「俺は、その程度のことで悟のことが嫌いになる程やわな心じゃないから。」
「わかってる。わかってるよ。ごめんな、ほんと」
優しい笑顔を俺に傾けてくる悟が、めちゃくちゃ好きだ。
久しぶりすぎて、覚えてないくらいのこの顔
視界がくらんだ。どうしてだろう。たくさんの光が一度に目に入り込んでくる。
「ははっ、なんだよお前、泣いてんのか?」
「な、泣いてねぇよ!うるせぇ!」
「これから俺、お前のこと泣かせるのに、今泣いちまったら仕方ねぇだろ?」
すげぇゲスな笑顔を傾ける
こんな顔も、たまらなくカッコよくて、たまらなく愛しい。
悟を、自分のことしか考えられないくらいにしてしまいたい。
「泣かせるって・・・なんだよ」
「ははっ、期待してろってことだ」
「痛いのは・・・嫌だよ・・・」
「何それ・・・超かわいい」
「はぁ?おいっ聞いてるのか?」
「痛めつけるつもりはないけど、初めてなら、ちょっと痛ぇかもな」
「できるだけ、優しくしろよな・・・」
「ははっ・・・了解。」
そう言って悟は立ち上がった。
「俺の部屋、行こうぜ」
「え・・・?」
「俺の部屋には、いろんなもんあるから、きっとお前を満足させられると思う」
「いろんなって・・・」
「つーか、硬い床でするより、ふかふかベッドの方がいいだろ?」
そう言って悟は、力の入らない俺の体を支えて、二階へ向かった。
階段を上っている時間が妙に長く感じてもどかしい。
悟のたった一言、好きだよって一言を聞くだけで、こんなにも幸せになれるのか。
いろいろお互い抱えていることはいっぱいあったらしい。
でも今は全部忘れよう。
いつかわかることなんだから。
今は全部を悟に委ねよう。
きっと俺を、知らない世界に引き込んでくれるはず。
そこのない快楽の沼に引き込まれてしまいたいと、心からそう思った。
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