第八話:作戦会議
「ムゲンループは、今年二〇一二年四月一日から二〇一三年三月三十一日までの三百六十五日を延々と繰り返す現象の事です。私や拓二さんが選ばれた住人なのだとすると、この一年は、『選ばれた一年』であると言えると思うのです」
その小さな口に、パスタを運びながらいのりは言う。
急な雨に降られて客足がさらに増したようで、その抑揚のない声は店内の喧騒に揉まれて消え入りそうだった。
俺はもちろん、細波にとってもこのことは共通認識だったらしく、俺達は異論なく頷いた。
「そこで、まず考えることはというと、『何故この期間をループしているのか?』ということです」
「ああー確かに、不自然なくらい綺麗なもんだな。学校じゃあるまいし」
そして、至って大真面目に相槌を打つ細波。
子供の遊びに付き合ってやっている大人、という雰囲気は少なくとも見られない。よくもまあ実際に経験してもない人間が、ムゲンループの事を信じられるもんだ。
それだけいのりが上手だったのか、細波がもともと信じやすいタチなのか、そのどちらかだろう。
「だが、ムゲンループは自然現象の一環じゃないのか? ……いくらなんでも、こんなの人間の科学力を超えた『何か』だろ。それとも、こんなこと誰かが意識的に狙ってやったとでも?」」
俺は少なくとも、ずっとそう思ってきた。人間には不可能としか思えない以上、自然的に起きた法則の歪みだと。
「もちろん、今の人間にはこんなこと出来ないでしょう。相対性理論、中性子星理論、ローレンツ収縮におけるウラシマ効果、磁場の乱れ、今発表されているどの理論を用いても……いえ、未発表だろうとなんだろうと、今のこんな大規模な現象を人為的に起こすことは非現実的です。まず、普通の人間には認識出来ていない時点で、ムゲンループは人間の手を離れて作用していることは自明と言えるでしょう」
「そうだろうな」
「まあ私は文系の頭なので、あまり詳しいことは分からないですが」
「そうなのか」
ですが、と前置きして、いのりはこう続けた。
「私にはこのことがどうしても、ムゲンループが、一個人の思惑が絡んだ現象であることの裏付けのように思えてならないのです」
「おいおいおい、自分で言ってて随分矛盾してる話だって分かってるか? 人間には不可能なことが、人間の手によって行われてるって言ってんだぞ」
あまりにもこいつらしくない言動だ。
そんな事も分からないとは、今までを見ているととても思えないのだが。
「それに、逆に訊くけどな。『四月一日』じゃなかったとして、何日がムゲンループの始まりならお前は納得するんだ? 元旦か? クリスマスか? そもそもが既存の時間法則にない不自然な現象なんだぞ? そこを気にしてても進むものは無いと思うんだが」
「それは……そうですが」
「あのさ、アンタら」
そこで、細波が肩身狭そうに手を上げた。
「もうちょっと、このおいちゃんにも分かるように言ってくんね?」
「ああいや、大した事じゃないっすよ。ムゲンループは人の手に負えない現象だってだけです。な?」
「…………」
いのりはと言うと、顎に手を添えて黙りこくっていた。
一体何を考えているのか分からない時が、こいつには多い。深く考え込ませると、危険だ。
ふとしたことで
「まあそこら辺は疑問点の一つってことで保留しとくとして……お前は、他に考えておくべきことってあるか?」
「ええ、まあ……では」
こうして話を別の方向へ反らして、いのりの考えを散らすために。
地味な嫌がらせみたいな真似だが、警戒するに越したことは無い。
すると、いのりがこほん、とわざとらしい咳払いをしてから、次のテーマを提示した。
「そうですね……で、『私達について』はどうでしょう。私と拓二さんが次の世界線に引き継ぐことが出来るものを、整理してみましょうか」
「ああ……それなら経験の多い俺が説明するか」
「そうですね。お願いします」
ループを満喫するためなら絶対に必要なことだったし、最初の数年で思い付く事は全て試していたことだ。
例えばいつか、身体に書いた刺青は次の『四月一日』には消えるのか、なんて思い付いて、耳なし芳一みたくした事もある。結果は、ちゃんと消えていたが。
「まずはループについてのおさらいだ。さっきも言った通り、ムゲンループの『やり直し』は、四月一日その日。その瞬間、世界の全てが元の『四月一日』の状態でリセットされる。俺も当然その影響を受けて、例えその一秒前までどんな場所にいても、必ず『四月一日』時点で居た場所……俺の場合、自分の部屋でリスタートされてしまう。いのり、合ってるか?」
「ええ、私も同じです」
「さて、じゃあ細波さん、紙とペン持ってます? ちょっと書き出してみますんで」
「ああ、いいぜ」
流石探偵、といったところか。一瞬で懐からペンとメモの切れ端を差し出してきた。いざという時、書き洩らさないようにするためだろう。
ペンを手に取り、ループで引き継げるものをざっと挙げていく。
「記憶、運動神経、反射神経……まあ概ね、『過去に経験した事』か。頭の中で記憶されて覚えている限りの事は、次に持ち込める」
今度は逆に、持ち込めない物を裏に書いていく。
「身体機能はもれ無く『四月一日』の状態に戻されるな。筋肉とか、脂肪とか、五感もその対象。それまで持ってたものはもちろん、服も当時着てた物になる。病気も持っていけなくて、すぐ治った。これは良い事だったけど」
「わざわざ病気にまでなったのか……?」
「……醤油のビン一気飲みってマジで簡単に病気になれるぞ」
それを聞いた細波が、露骨に顔をゆがめた。
ちなみに、良い子は決してマネしないように。学校をサボるためにやっても、あまり割りに合わないと思う。
まず病院行けばバレるし、致死量が存在するくらいだ。
俺の場合、病気はループに持ち込めるのかどうなのか手っ取り早く試したかっただけだが、気持ち悪さと吐き気で死ぬかと思った。
「しっかし、案外、持ち込めるもんって少ないんだな」
細波が、俺の書いた紙をつまんで見ている。
確かに、メモの文字数から見ても、持ち出せない物の方が圧倒的に多かった。
「でも、経験の積み重ねってのは馬鹿にはならないもんでね。いくら経験積んでも、脳細胞そのものは決して鈍化しないんだから。俺の場合、いつまでも十六歳の物覚えがいい状態で新しい事を覚えていられるんだから、まあ悪い事ばかりでもないっすね」
おかげで、言語習得については本当に捗った。
英語を筆頭に、フランス語、ロシア語、中国語、そしてドイツ語の主要五か国語は日常会話に困らない程度に話せるようになった。いや、日本語を合わせれば六か国語か。
普通に生きていたら、間違いなくこんなことは出来なかったはずだ。
「五十年も繰り返してるんだっけ? ったく、信じらんねー奴だな」
「そうっすね。まあ、五十年経って脱出することも出来なかった役立たず、とも言えますが」
そう言うと、細波が苦笑を浮かべた。
何か変なことでも言っただろうか、と思ったら、細波がこう話した。
「タメでいいよ、相川くん。さっき俺の事青二才っつっただろ。内心でそう思ってる奴に敬語で喋られても落ち着かねー」
「ああ、なるほど。じゃあそれでいいなら。細波さん、他に一般人の目線でなんかあるか?」
「そうさなあ……」
もしかしたら、俺達とは違う視点で物事を見ることが出来るかもしれない。
少しだけ考える素振りを見せた後、こんなことを尋ねてきた。
「さっき、『四月一日』ちょうどになったら、その時いた場所に戻るって言ったよな」
「ああ、ありゃワープみたいなもんだ。この間も三月三十一日までオランダにいたのに、『四月一日』になった途端自分の部屋に戻ってた」
「ワープなあ……こう、超能力みたいに身体が光ったり、ゲームのMPマジックポイントみたいに力が抜けたり?」
「ないない、アニメの見過ぎなんじゃねえの?」
「いや、そういうのちょっと憧れててさ」
そうやって照れくさそうにえくぼを作る彼は、今までより少しだけ若々しく見えた。
「お生憎様、この世界はド〇クエとかF〇みたいにファンタジーなもんじゃねえよ。『四月一日』になってから、一度瞬きする。こんだけで戻って来られるんだ。面白くもなんともないぜ」
「え? そうなのですか?」
今まで口を閉ざしていたいのりが、ようやく口を開いた。
どうやら俺の言葉に反応したらしい。何か思いつくことがあったのかもしれないと、一応尋ねてみる。
「お前は違うみたいな言い方だな」
「ええ。私の場合、『四月一日』になって数秒したら、突然景色がパッと変わるんです。まばたきもなしに」
「へえ。よく分からんが、お前と俺で違う事ってのもあるんだな」
リセットまでの
これは俺も知らないことだった。ムゲンループにも、人によって違いがあるのか。
俺といのりで、どういう基準があるのか分からないが、これは頭に入れておいた方がいいだろう。
「大したことない違いだが、もしかしたら、探せばもっと別の相違点ってのがあるのかもしれない。また今度、一から細かい点を洗い出すべきだな」
「そうですね……」
藪蛇を突く結果になるかもしれないが、俺にとっても有益な事であるのも間違いない。いのりに油断してるわけじゃないが、少しのリスクは受け入れよう。
俺だって、ムゲンループの事を知りたくないと言えば嘘になる。自分の住処の事くらいは良く知っておかないと。
その時、店のBGMとは違った、軽快な音調が特徴の某アイドルグループのテーマ ソングが耳に入った。
向かいに座っていた細波が、ケータイを取り出して立ち上がる。今時珍しいガラケーだ。
「電話だ、ちょっと失礼」
そのまま、電話口を耳に当て、トイレ前まで離れていった。
少しのやり取りの後、細波が戻って来た。
「すまん、どうやら仕事が入っちまったらしい。悪いけど後はお二人さんで仲睦まじく考えといてくれ」
「仲睦まじくは余計だ」
隣の椅子に置いてあった自分の荷物を手早くまとめ、そう告げた。
「多分、夕方くらいまでには切り上げられると思うから、帰りに車が必要なら言ってくれ。いのりちゃんに俺の電話番号は教えてあるから、一応相川くんもケータイに登録しておくといい」
「分かった。雨降ってるけど、傘あんのか?」
「おいおい、俺は探偵だぞ? 依頼に使う小道具は常備が常識だ。んじゃな」
不敵に笑いながら、彼は今度こそこの場を後にした。
流石探偵、場からの立ち去り方があっという間だ。ご丁寧に、三人分の会計票まで持って行ってしまった。
「行っちゃいましたね」
「ああ。探偵業も忙しいんだな」
「……二人っきり、ですね」
「ああ。あの人もういないんだから、お前向かい側に座れよ。邪魔だろ?」
「えー」
「だから何で嫌そうなんだよ」
さっきからずっと話し辛かったし。
結局、俺の言うことを聞いて、いのりは細波が座っていた椅子に座り直した。
「さて、じゃあ次は何の話をする? ムゲンループの考察を続けてもいいが、細波さんもいないし、ちょっくら違うことを考えてもいいかもな」
「そうですね。同じことを考え続けるのも、一度煮詰まると疲れてしまいますから」
食べ終わった後のフォークを手の中で弄りながら、いのりは喋る。
「では休憩がてら、私達のこれからの事について、私なりの考えを話すことにしましょうか」
「これからの事?」
俺の問いに、こくりと頷いてみせる。
「ええ。今日みたくムゲンループの推察を進めるのとは別に、当面の私達の目標、脱出に向けて指針を定めましょう」
「なるほどな。だが、そんなもんあるか?」
ムゲンループの謎について考える事以外に、やれる事。
……まさか。
「一つ、あります」
もし俺の思ってる通りなら、それはかなりの困難を極めることだ。
それはいのりも分かっているのか、むしろ実際に一度やっていたことだからか、躊躇いがちに重々しく口を開いた。
「────私達の他にも、ムゲンループの住人を探すことです」
不可能だ、という声が口を衝きそうになった。音として吐き出すのを、かろうじて抑える。
「不可能だとお思いですか?」
どうやらそう思われるのは承知の上だったらしい。
だったらと隠すことなく、大きく頷き返してやった。
「ああ。無理だ」
「……理由は」
「簡単だろ。もしそんなことが出来るなら、今こんな状況なわけがない」
ムゲンループを知る人間がたった二人だけ集まって、ムゲンループをどうこうしようしているこんな状況には。
「あのな、はっきり言ってやる。お前が俺を見つけられたのは、宝くじの一等並みのラッキーだ。ムゲンループが世界規模の現象である以上、単純計算で七十億人中の数人の確率で出会えた奇跡だ。俺だって、お前みたいなことをしてた時期があるから分かる。他の住人を見つけるのは、もう無理だ」
うぬぼれるな、と言外に伝わるような語調で言う。
いのりの言う一年では、とても間に合うわけがない。
「だから、もっと建設的な行動を――――」
「もし、心当たりがある……と言ったら?」
その一言に、周囲の喧騒が一瞬消えたかのような衝撃が走る。
聞き間違いかとさえ思ったくらいだ。
「……何?」
「あくまで、可能性の話です。拓二さんの時のように、ある程度以上の確信があるわけじゃありません。本当にただの心当たりです。なので先に拓二さんにお会いしたのですが……」
そこで、思案気に言い淀むいのり。
「ただ……私見で言わせてもらえれば、『彼女』は、文句なしの天才です。私なんか足元にも及ばない、もはや一介の女子高校生という範疇を凌駕している。どの分野においても、誰も敵わない。奇跡の産物のような人です」
「な……」
あの。
あのいのりが、ここまで言う人間とは。
そんなの、あまりにも。
あまりにも、とんでもなさすぎるだろ……。
……なんて、考えるとでも?
いやいや。
いやいやいや。
そんな言葉だけで聞き分け良く、はいそうですかうわーすっごーいなんつってビビるかっての。
「『彼女』がもし、ムゲンループの恩恵を受けているのだとすれば……あの常人離れしたスペックも、納得ができます」
そのいのりの顔に冗談の気は全く感じられないが、知るか。
いっそ笑えるくらいだ。別に面白くもないがな。
そして、と言い繋いでから、いのりははっきりとこう言った。
「私は、『彼女』と貴方に、似たものを感じました」
「……まだ見たことも無い奴に似てるとか言われても、嬉しくもなんともないね」
もはや俺は、いのりに呆れ始めていた。
正直、いのりはこんなに馬鹿だったのか? と思わざるを得ない。
人間じゃないとか、奇跡の人間とか、こいつ本気で言ってるのか? ここにきて中二病発病とか?
自覚があるか知らないが、今のこいつはその『彼女』とやらに心酔しきった信者みたいな語気だ。
虎の威を借る、とでも言うか。いるよな、まるで自分の事のように他人を自慢する奴。
「それに、お前の言うことはお前自身のフィーリングだけでしかない。今この場に欲しいのは、お前の論理的思考だ。今更そんなんで、俺が納得するとでも思ってんのか?」
「もちろん、拓二さんならそうおっしゃるだろうと思っていました」
「思っていました、ってなあ……」
俺がさらに詰め寄ろうとしたところで、いのりが口を開いた。
「ですから、拓二さんにも確かめてもらおうと、既にここにお呼びしています。『彼女』とはほんの数回ですが、わけあって面識がありますので」
「は……はあっ?」
待て、呼んである?
その天才をここに?
「本当は細波さんを入れた四人で話し合う予定でしたが、仕事では仕方ありません。私達で『彼女』を見定めましょう」
「おいおい、待てよ。話が突然過ぎ――――」
…………。
――――っ、え?
「もう間もなくいらっしゃる予定なのですが……拓二さん?」
いのりが何か言ってる気がするが、聞こえない。 今の俺の頭ではそんなもの受け付けない。
おい……おい。
そんな、嘘だろ?
まさかアイツ――――『アイツ』が。いのりの呼んだ天才?
「――――」
背筋が凍る。
鼓動が痛いくらい激しい。苦しい。
足をつけている地面が、ぐにゃりと捻じ曲がったかのような錯覚を抱く。無性に吐き気が込み上げてきた。
いのりはまだ、席の関係上気付いていないのか。
だが、俺は、見てしまった。その『彼女』とやらを。視界に映してしまった。
天才。天才か。
物は言いようだな。
――――昔、俺はアレを、化物と呼んだぞ。
「傘、済まないね。ええと……」
「いいって、この傘俺のじゃなくてこいつのだし。あと俺、桧作夕平って言うんだ」
「私、立花暁って言います」
「そう、ありがとう。桧作くん、立花ちゃん」
なんで。
なんでお前らがそこにいる。
「確かこの店で人を待たせていて……ああ、いたね」
「あ。あれ、相川じゃねえか?」
「本当だ、あの一緒にいる子は……?」
なんでお前ら二人が、そいつと一緒にいやがる。
「遅くなったかな、柳月ちゃん。ごめんね」
「いえ、こちらこそお呼び立てしてすみません。お待ちしていました、先輩」
『欲を言えば……何があっても私の事を忘れないで欲しい』
「いやあー偶然だな! もしかしてこの人の言ってた約束ってお前の事か?」
「相川くん、今日はこっちでご飯だったの? 私達も誘ってくれたらよかったのに」
────ああ、
『二人の犠牲になれるから、私は「飛べる」んだよ』
────あああ、
『……ありがとう』
今と過去の記憶が、景色が混在する。
よみがえる。思い出してしまう。
あの時、あの瞬間の事を。
『じゃあ、その……逝くね』
あの日。
背中合わせになりながら、俺達は『お互いの前』を向いていた。
一人は、生きる方へ。
そしてもう一人は――――死に逝く方へ。
その生きる方……俺の、視線の先に、いたのは――――。
「君が、柳月ちゃんの言っていた子かな。話は少し聞いてる。めったに他人に興味を示さないこの子が、珍しく誰かを褒めていたからね」
忘れたくても忘れられない。便器に付いたクソのように脳髄にこべりつく、三週目の記憶バッドエンド。
思い出されるのは、嘘のように綺麗な紅。
その西日の下、意識をなくしてうなだれる夕平と、
その夕平を、まるでカバンか何かのように引っ掴み、俺達を能面のような表情で見据える――――『彼女』の姿。
『彼女』の名前は、
暁を、自殺に追いやった張本人だ。
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