第3話
「648円になります」肌の透き通った、本当に沖縄の人なのか、そう思うような綺麗な人だった。少し小腹がすいたので、弁当も買ったのだが、無駄遣いしてしまったなあ、と反省しながら僕は財布を開いた。あれっ、あと2000円しかないじゃないか。まあ、とりあえず、と1000円札で払い、僕の冷え切った心を少しでも温めてくれようとしているかのような彼女の手からお釣りが手渡された。「ありがとうございました」
100円玉たちに残った彼女の温もりに、なんだか少しほっとした。
いや、違う、違う。バイトしないとこれはまずいぞ。そう思いながらATMへ行き、残高を確認。そこには30,000円の文字が写っていた。
「今月はどうにかなるか…」
隣にあった、表紙が少し曲がっている求人雑誌を手に取り、僕は誰もいない家に向かった。
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