第2話

選択肢はそこら中に枯れた落ち葉のように散らばっていて、みんなクシャリクシャリと下を見ずに歩いていく。途中で立ち止まって、綺麗な落ち葉を探していた幼い頃のようになれないのだ。まわりが見えなくなっているのは大人の僕たちなのかもしれない。現実を見るという言葉に逃げ、夢を叶わぬ夢だと決めつけ、どこか心の底では違うと感じているのに、歩いていく。僕もそうなろうとしていた。第一志望の学部に受からず、人生に初めて迷いが出てきたのだ。大阪から沖縄へ心機一転と思い来てみたはものの、沖縄は大阪と違い、交通手段は基本的に自家用車。地元のひとたちが話している方言も難しく、なかなか溶け込めない空気が僕をそっと風が笑った。けれど、僕は気を紛らしたく、友達らしいものはたくさん作った。勉強にも励んだフリをした。心配性の母親から毎晩かかってくる電話に「楽しいよ」「頑張ってるよ」と呟いた。電話が終わったあとの1人の時間は胸を張り裂けるものだった。とりあえず、コンビニでジュースでも買いに行こう。そう思い、財布を持ち、家を飛び出した。

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