第9話 これからどうしたらよいか
「えっと……」
私は今後の予定をどうしたら良いかなんて思いつかない。そもそも、先日振られた時の傷心も十分に癒えてはいないし、これから仕事を頑張ろうとも思える状態ではなかった。私が答えに困っていると、久美子さんは矢継ぎ早に次の質問をしてきた。
「あなたの得意分野って何?」
「得意分野……」
私は自分の得意分野が何かないだろうかと必死に絞りだそうとしてもなかなか出てこない。久美子さんの顔を覗き見ると、みるみる赤くなっていくのがわかり、私は逃げ出したい気持ちでいっぱいになっていた。
「あなた、いったい何をやってきたのよ!」
ついに、久美子さんの怒りは爆発した。怒られるのは仕方が無い。でも、私はどうする事もできやしない。
「いい、あなたは何でもいいから毎日全力でやりなさい! 絶対私の店からクビなんて出さないからね!」
久美子さんは言い終えると、勢い良くドアを開けて調剤室へ出て行った。私はこれから具体的にどうしたら良いのかわからず、しばらくその場を動けなかった。
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