第4話 友人のせいで……

「あの子の代わりだったわね」

「はい……」

 美紀は私の同期でたった2年半で退職した。そのため私は慣れ親しんだ武蔵小杉店から、みなとみらい店に異動させられた。

 クローバー薬局チェーンでは、新人は仕事をしっかり覚えるため、また、3年たったらすぐに指名を取れるように、と基本的に異動はしない。しかし、退職ともなると事情は異なってくる。

 1日の処方箋応需枚数がクローバー薬局内でも最多のみなとみらい店では、薬剤師が一人抜けただけでも患者さんを長時間待たせてしまう事になる。それを防ぐために、美紀の代わりに私がみなとみらい店へ来る事となったのだ。

「それでも1年はここで働いていたのよね」

「まぁ……」

 確かに久美子さんの言う通り、みなとみらい店では1年間働いている。1年働いていれば、仕事も覚えられるし馴染みの患者さんはついてくる、はずだった。

 

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