5

「……カガリちゃんって言ったよね」



「はい。そうですけど。」



さっきそういったではないか。

これは一体何の確認だ。



「14歳だったよね」



「はい。」



もう一度言おう。

これは一体何の確認だ。

まさか、信じてもえらて無かったのだろうか?

自分でも絶対的確信がないので、更に不安になる。



「お父さんとお母さんはどうしたの?」



と、微笑んで聞いてくる。



「親なんて……知らない」



口調からわかる。

有紗はきっと私を子供扱いしていると。

それが無性に腹が立って仕方がない。

それに親なんて本当に知らない。

どんな人なのかも。

そもそも、親が居るのかどうかも分からない。



「やっぱりそうですよ柊様!」



と、大声を出して喜び、飛び跳ねる有紗。

……とても可愛らしい。

だか、一体何がわかったのだろう。



「おい、有紗うるさいぞ。さっさと結論だけ言え。」



そうだそうだ!

私にも何のことかしっかり教えてくれよ有紗さん。



「きっとカガリちゃんが“噂の子供”だったんですよ!」



……“噂の子供”?

何のことだろう。



「……そうか。その可能性も無くはないな。」



と、顎に手を当てて何かを考える柊。



「ですよね!柊様!」



そして柊が刀を鞘にしまう。

どうやら命は助かるようだ……。

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