第367話 やっぱり増えた
四番湯にいる二人には、しつこいくらい念を押しておいた。最後には本当に「しつこい!」って怒られたけど。
でもさー。世間知らず二人だから、心配なのよー。靴とか入れないでしょうね。
とりあえず四番湯にもあらいさんを設置し終わったので、五番湯以降にも設置しておく。
あ、水分補給用のほっとくんも作らないとね。もうちょっと小さくして、飲み物専用にする。
グラスに関しては、ちゃんと返却口も作る。でも、中には面倒くさがって返却しない人もいるよね?
なので、きゅーじくんのようにキャスターで移動出来るようにして、腕を伸ばしてグラスの回収を出来るようにした。
という事は、グラスの場所と、現在空いているかどうかもわかるようにしないとなー。
んで、回収したグラスは洗浄・浄化・修復を行う。で、使い回し。飲み物自体はほっとくん同様、亜空間収納にアクセスして食材を使い内部で作るようにする。
水や氷はほっとくん側で作るか、亜空間収納内で作るか、どっちにしようかな。
『亜空間収納内に、水と氷のストック用の区域を作り、一定量まで減ったら補充するように仕掛けておけばいいと思います』
おお、ナイスアイデア。さすがです、検索先生。んじゃ早速。水も、浄化すると体にいいっていうしね。収納内の水は、もちろん浄化しております。
神子印の体にいい水。これ、売れるかな。いや、売ったら速攻バレるって。
飲み物用ほっとくん……もうほっとくんでなくていいよね。何か別の名前を付けようかな。
自動販売機のじはんさん……いや、販売してないし。ウォーターサーバーのさばーさん……水だけじゃないしな。
うーん、何かいい名前ないかなー。
『ディスペンサーとも言うそうですね』
あ! ディスペンサーのスペンサーさん!
……検索先生、今回は先生にも責任の一端はありますからね?
とっとと作ったスペンサーさんも、各施設に設置しておく。あ、四番湯はまた明日。二人が温泉に入っていない時を見計らわないとね。
スペンサーさん、基本脱衣所に置く予定だから。温泉で汗かいて、知らないうちに脱水症状にならないようにする為ものだし。
スペンサーさんに関しては、施設内のあちこちに置いてもいいかもなー。あ、動くんだから、何台かは決まったコースを巡回するようにしようか。
ゆっくり動かして、ボディのどこかを触れると止まるようにすればいいんじゃないかな。
よし、巡回用スペンサーさんも作ろう。おー、温泉施設が充実していくなあ。もう砦じゃなく、温泉に住んでもいいかも。
砦に帰って、自分の部屋で一息。あー、やっぱりこの部屋は帰ってきたって思うわー。
やっぱ砦だわ。温泉もいいけど、あそこは「行く」のはいいけど「住む」のはちょっと違うね。
あれか。温泉の建物は全て、誰が使ってもいいようにしてあるから、自分専用の場所って意識がないのかも。
砦の私室は、ちょこちょこ手を入れて自分の好みに合わせてるから、自分専用の空間って思えるんだ。
まあ、温泉の方も手を入れれば違うのかもしれないけどさ。今のところ、手の入れ方がやっぱり万人向けな気がする。
使う人、かなり限定されてるんだけどね。
そういえば、冬になったら五番湯を叔父さん大公一家に明け渡してもいいかなー。叔父さん大公は居続ける訳にもいかないだろうけど、フィアさんとミシアだけでも、温泉使うといいんじゃないかな。
特にフィアさんは病み上がりの体だし。ダガードは冬が厳しいそうだから、温泉はいいと思うんだ。冷えにくいしね。
一応、護くんにもとーるくんにも、叔父さん大公一家はフリーパスで入れるように設定しておこうっと。
後はミシアに手紙を送ればいっか。場所は……わかるかな? わからなければ、地図を送るって手紙に書いておけばいいよね。
「あ」
そういえば、一周年記念のパーティー、叔父さん大公一家は招待していなかった。
これ、後で知れたらミシアがむくれるんじゃないかね?
「どう思う? じいちゃん」
「そりゃむくれるじゃろうな」
「だよねえ……」
お茶の時間になったので、じいちゃんに軽く相談してみたら、思った通りの回答がきた。
「ミシアを仲間はずれにするのは、可哀想だと思うわよ?」
「そうですねえ。賢者様に魔法を教わっている、いわばサーリ様の妹弟子ですし」
ですよねー。招待客がまた増えたー。まあ、いざとなったらミシアだけ迎えに行って、パーティー終了後に送っていけば問題ないでしょ。
と言うわけで、ミシアに招待状を送ってみた。ご家族でどうぞ、ダメならミシアだけでも、と書いて。
返事、速攻来ましたよ。しかも、ドナーさんも一緒じゃダメ? ときたもんだ。
やべー。フィアさんのおじいさんであるドナーさんの事、すっかり忘れてたわー。
もちろんオーケーと書いて送る。叔父さん大公一家は四人での参加が決定しました。
やっぱり、絨毯で送迎した方がいいんだろうなあ。
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