第101話 ゴンドラ? が完成!

 石材を積みつつ、亜空間収納の中で磁器を作成し、解体した飛びウサギの皮を使って風船を作った。


 うん、我ながら良く頑張ってる。てか、これ今日一日の作業量なんだけどね。


 そうそう、ローメニカさんから、食事会の日程が決まったって連絡が来たんだ。二日後と、十日後の二回だって。


 一応、どっちかに顔を出してと言われている。なら、二日後だな。そろそろ出発準備が整いそうだから、十日後じゃ遅いもん。


 確認したら、じいちゃんも参加していいって言われたから、じいちゃんも一緒。


 ブランシュ達はどうしようかと思ったら、意外と知ってる人が多いらしいので、二匹も一緒だ。


 で、本日の作業の最後に、じいちゃんが作ったゴンドラを確認する。もう出来上がったってさ。内装もバッチリなんだとか。


 そしてでかさが半端ない。


「おっきいなあ……」

「まあ、これから空間操作をして、最終的にはほれ、あそこにある箱くらいにする予定じゃ」


 そう言ってじいちゃんが指し示した先にあるのは、長細い木箱。木箱? 扉っぽいものがついてるから、木製ロッカーって感じ。


「これが、あれに?」

「お主の亜空間収納だって、これくらいの大きさのもの、簡単に入るじゃろうが」


 確かに。そう考えると、不思議はないのか……


 あれー? でも、あの木製ロッカーくらいの大きさなら、頑張って飛びウサギをあんなに狩る必要、なかったんじゃね?


 まあ、ウサギ肉美味しいからいいか。それに、寝ている間も航行可能、が最初のコンセプトだし。


 ゴンドラに入るには、甲板部分にある入り口から入る必要がある。うん、はしごで上るのは危険だね。ほうきで飛ぼうか。


 じいちゃん用の籠も出して、ちょっと浮かんでゴンドラの甲板部分へ。もうこれ、ゴンドラじゃなくて船だよね。


 甲板にはちょこんと小屋のようなものがある。これが入り口なんだって。扉を開けた先にあるのは、床に描かれた魔法陣。


「これは?」

「お主が作ったポイント間移動の魔法があるじゃろ? あれを応用したんじゃよ」


 まったく、じいちゃんはすぐ私の魔法を使うよね。ってか、他の人には使えないって言われる私の魔法を、簡単に使うじいちゃんって何者?


 魔法陣に乗って魔力を流すと、周囲の景色が一瞬で変わる。


「おおー!」

「ふっふっふ」


 何これ凄い! 移動先は、広い空間で、壁には窓がたくさん。天井が高くてちょっとしたホールって感じ。


「あれ? この窓、ガラス入っていないね?」

「うむ。どうせ収納してしまうと思ったのでな。窓にはちょいと違う仕掛けをしておいたぞい」


 仕掛け? 何だろう。じいちゃんに聞いても、実際に空を飛んでからのお楽しみ、としか言わないし。


 ホールから奥へと入る。次は居間、そこから繋がるようにダイニングとキッチン、どれも結構な広さだ。


 廊下に出て階段を上ると、個室がある。全部で十部屋。じいちゃんと私だけなのに、そんなに必要?


「念のためじゃよ」


 そう言って笑う。念のためって、どういう事?

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