第84話 お願い! 検索先生
さて、飛行船に関してはじいちゃんに一任したので、私は砦の修繕に取りかかる。
日課の空の散歩も欠かさない。
「いい空だねえ」
「気持チイイー」
ノワールも気分良さそうに飛んでるなあ。ブランシュはまだ飛ぶ気がないのか、私の懐だ。可愛いからよし。
空を飛びながら、ついでに浄化魔法を使う。これも、日課になっている。
ただ、近場でやると私だとバレるかもしれないので、ちょっと離れたところが中心になるよう計算してやってる。
じいちゃんに話した時は、難しい顔で黙り込んじゃったけど、多分平気。
本気でヤバかったら、その場で止められるから。じいちゃんが止めなかったって事は、セーフって事。
薄く広くかけ続けているせいか、大地の力が戻ってきている。空から見てもわかるくらいに、緑が増えた。
まだ雑草程度だけど、これからどんどん木も生えてくるだろうなあ。山は元々大地が持っている力が強いから、復帰するのが早かったみたい。
その大地の力を借り受けようと、親グリフォンが石切場に来たりしたっけ。
「ピイィ?」
懐から顔を覗かせたブランシュが、小首を傾げる。うん、今、君と出会った時の事を思い出していたんだ。
あの石切場で、卵の君に出会ったんだったよね。君の親も側にいて。依頼を受けて行ったけど、本当、親グリフォンを倒す事にならなくて良かった。
ノワールが神馬に鍛えられた場所は、砦から北西に飛んだところにある山の山頂。
ちょっと変わった形の山で、山頂付近が広場みたいになってる。これ、自然に出来た山なのかね? ちょっと疑問。
砦からこの山までの往復が、空の散歩の定番コース。頂上まで来たら、ノワールは一人で飛ぶ練習、私は検索先生に相談。
下位種ドラゴンの骨の活用法。亜空間収納に結構な数が入ってるんだけど、使い方がわかんなくてねー。
で、検索先生に相談中。
『下位ドラゴンの骨は、焼いて砕いて粉末状にした後、海水と砕いたドラゴンの鱗とスライムを混ぜ合わせるとドラゴンコンクリートになる。非常に強固で崩れにくく、乾きやすい。また、魔法攻撃に対する耐性を持っているので、外壁に使用するといい』
へー、意外と優秀なんだな、下位種ドラゴンの骨。ただし、焼くのにかなりの高温を必要とするんだって。
「魔法使ってちゃちゃっと下処理しちゃおう。あとは……っと」
しかし、ここでもスライム素材が必要とは。結構便利なんだな、スライム。
湖にたくさんいて、水の浄化をしているそうだから、フォックさん辺りに相談して、狩っていい数を教えてもらおう。
とりあえず、砦の外壁は下位種ドラゴン素材で固めるとして、やっぱり手を付けるべきは塔からかな。
石材がちょっと足りないみたいだから、石切場で追加で購入しようかな。
魔獣素材で何か見繕ってもいいんだけど、稼ぎ過ぎたお金を地元に落とそう、って面もあるからね。
お金は、使ってこそ経済が回るのだ。
訓練をし終えたノワールが戻ってきたから、一緒に砦に戻る。そのついでに、石切場まで足を伸ばして、石材を追加購入してきました。
それはいいんだけど、石材の値段、前より上がってない? 何か、あるのかな?
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