第8話
次の日に3人はトンプソンの賞金でコルダの衣類を買ってやった。デブリカットを出る際にコルダの服はノーバディが新調したが、アレルヤにセンスがないと言われ新調した服を買うことになった。以前の服に比べれば派手さが消えコルダの年相応した服装になった。少し地味な服であったが今は下手に目立たない方が良いの考えるとちょうど良い感じであった。
「だいぶ可愛くなったぞ嬢ちゃん」
アレルヤが言うとノーバディが「あの服を着れないってどういうことだよおい!」と怒っていた。アレルヤとノーバディは互いの衣類センスに関して罵りあっていたが時間も惜しかったので、コルダは2人を無視して近くの銃器店に入っていった。父の銃はノーバディが持っているので
コルダが店に入ると、店の奥で座っていた陰気そうな店主がジロリとコルダを睨んだが、すぐに眼を離した。自分でも銃を買えそうだとコルダは思うと店のケースの中に並んで入っていた銃をひとつ選んだ。
「ケースにある銃を見せて貰いないかい?」
「これはガキのおもちゃじゃないぞ」
「おもちゃで使う気じゃないさ。なら良いでしょ?」
「両親が泣くぜ。火遊びを子供にさせる気はない。命は大事にするんだな。せめて両親の許可が必要だよ」
「親はいないわ」コルダの言葉に店主は少し驚いたが、それでも店主は姿勢を崩す気はないらしい。
「それなりゃあ嬢ちゃんの親代わりだ。これがいなけりゃあ銃を売ることは出来ねえよ」
「親代わりなら、ここにいるよ」
入り口にいたノーバディが答える。アレルヤも新調した服を抱えて店に入っていた。
「どこに行ったのかと思えば、こんな所にいたのかい。銃くらい買ってやるのによ」
カツカツと店の中を歩きケースの中にある銃を眺めていた。
「おっさん店にある銃はこれで全部かい?」
ノーバディは何かを察したらしく含みのある言葉を店主に投げかけた。
店主も突如来客した女から只ならない物を感じたらしく、「ああ、あるよ」とそのまま答えた。
店主がカウンター裏から銃を数種類持ち出し始めた。それで、どれにする?と店主は言った。
ノーバディは、その中で一際小さな銃を取り出しホイルの中を見たり銃口を覗いたりしてし始めると銃を解体し始めた。店主は、それは困ると言い掛けたがノーバディが睨み返すと、そのまま何も言わなくなった少し経つと銃を組立て初め組立が終わるとノーバディは言った。
「おっさん。この店に試射室はあるかい?」
「ああ、裏手にあるよ」と店主は答える。ノーバディはコルダに先ほどの銃を渡して言った。
「この銃で的を撃ってみろ」
コルダは頷き裏にある試射室でコルトを構えた。乾いた発砲音が鳴り響いたが的は健在なままであった。
「嬢ちゃんには、まだ早いおもちゃだったみたいだな」
店主は意気揚々にコルダとノーバディに言った。
「でもないみたいだぜ」
ノーバディは、そう言って地面に一度ドンと強く足で叩いた。音とともに的も倒れ始め人間型の木の的が首から落ちていった。老朽化していたために当たっていても反応しなかったようである。
「客を騙すのは良くないぜ、おっさん」
店主は息を荒げ、ふんと鼻を鳴らした。店側の非を認めたようであった。
「この銃を頂くよ。思ったより良い銃みたいだしな」
そう言ってノーバディは銃を買おうとした。
「アンタら賞金稼ぎだろ?」
店主は銃とコルダのために小さいホルスターも用意しながら言った。
「そうなら何だって言うんだい?」
アレルヤはつまらなそうに答える。店主は、もしそうなら仕事を頼みたいと囁き答えた。
「悪いがアタシ等は急いでてね。町の連中に話を聞くほど暇じゃないのさ」とノーバディは言って店を出ようとした。アレルヤも続き店を出ようとした時にコルダは店主に尋ねた。
「話だけでも聞かせてくれないかしら?」
ノーバディとアレルヤが馬を用意していたその時コルダがこちらに向かって走って来ていた。息を切らしながら2人の所まで来るとコルダは言った。
「新しい仕事だよ。しかもかなりおいしいわ」
コルダの言葉に2人は耳を傾けた。
店主の内容は、こうだった。この町にある宿を併設した娼婦が出入りを行っている場所があったのだが、ここに来た客が、店の娼婦に顔に傷が残るほどの暴力を振るったために宿の店主が血相変えて店の2階に上がったのだが、客が酔っていたために店主を撃ち殺したって大騒ぎで、事が事なだけに町の保安官も動かないって話であった。結局、娼婦仲間が金を出し合って賞金稼ぎが来るのを待っていた。なので3人で、ここからそう遠くないところで暴力を振るった連中の住処があるので是非殺して欲しい。と店主にコルダは言われたそうであった。
3人は数時間掛けて目的の場所に着くとたしかに人の気配を感じる小さな民家にたどり着いた。話が間違いでなければ、ここが連中のたまり場になっているはずであった。
「さあて、どうするかね?」
アレルヤの発言にコルダは答える。
「家の外にトイレがあるじゃない。あそこまで近くに行って連中がトイレに出てきたら撃つってのは、どう?」
コルダの案にアレルヤは賛成した。
「悪くない。トイレで1人を殺してすぐさま逃げるって訳かい。その考え乗ったぜ」
そしてトイレ付近で待ち伏せをする役をコルダが担当し残りの2人は小屋の入り口付近で待機して小屋の連中を殺す役割を担うことになった。
作戦を開始して小一時間するとトイレをしに小屋から1人出てきた。コルダが店のおっさんに聞いた人相と男の顔は一致していた。ここの小屋の連中で間違いないようである。
男が用を足しに外にポツンと佇んでいるトイレに入るとコルダもそっとトイレの方へ向かっていった。
(いいぞ・・・悪くないこのまま奴を追いつめろ・・・!)コルダを見守る立ち位置にいるノーバディとアレルヤは、そろって口を揃えて呟いた。
いよいよコルダがトイレに近づき今にもトイレの開けることの出来る距離まで来たときコルダは突然止まりだした。
(あのガキッ、何やってやがる・・・!)ノーバディは内心ごちたが、それでも黙って見ていた。
それから少しの間がありコルダが扉を開けると用を足してリラックスしている男がいた。男は一瞬自分に何が起こったのか何も分からず、ただただ唖然とコルダを眺めていた。コルダは新調したコルトで至近距離から3発間を開けずに発砲した。男はうめき声を挙げ情けない姿のまま絶命した。
コルダの手は震えていた。数日前にもペキンパーの追ってから発砲したが、あれは正当防衛のようなものであり、今回のようなこちらから人を殺すというのはコルダは初めてであった。殺しは好きではない・・・。それはコルダ自身、彼女の手の震えが、そのまま答えを表していた。だが彼女は、ここでただ殺せばよいいうのではなく今から彼女はすぐにここから離れて逃げなくてはならなかった。
彼女にとって初めての人を殺した日であった。
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