RPG(ただ魔王がこの世界に来て学校生活をするだけ)

@gumi

プロローグ

「つまんねーなー」

誰もいない城の中で魔王は呟いた。

「勇者はおせーし、他のモンスターたちは定位置についてるし…」

「誰もいないことを良いことに、メタ発言をするなんて。魔王らしからぬ行為ですね」

部屋の片隅から出てきたのは魔王の側近だ。

「げっ。バラム、いたのか」

「メタ発言というのは二次元と呼ばれるこの世界にとってタブーですからね」

その発言こそメタ発言というのをバラムは気づかない。

「しゃーねーだろ?退屈なんだから。そもそも三次元とかいうのも本当に存在するのか?」

「じゃあ…行ってみますか?」

あくびをかく魔王にバラムは問いかける。

「は?」

「その三次元ですよ」

魔王の目がぱっと見開く。

「行けるのか?!三次元に?!」

「はい」

「まぁ、ここにいても退屈だしな行こうかな」

「では早速。こっちの世界は私が手をかけておくので、安心してくださいね。それと三次元にいた時の記憶は適当に植え付けておきますので。あと…」

「早くしろよ!」

魔王が急かす。

「くれぐれも魔王だとはばれないようにしてくださいね」

「おう。分かった」

「では、いってらっしゃい」


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