ラスボスメーカー 第16話
俺たちはその年の暮れにラスボスメーカーをリリースした。
久本と香ちゃんが入ってくれたことでその後順調にいったか、というとそうでもなく、やはり作業ボリュームが多かったことが徐々に明らかになった。それでも俺たちは少しずつ作業を進めていった。そして冬休みを利用して俺たちは開発合宿を行いなんとか仕上げることができた。リリース自体は合宿中には行えず、俺と杉本、田上の3人で行った。最後の最後まで俺たち3人はバグ取りと改修に終われていた。
[mzh]さっきリリースしました
[mzh]たぶんしばらくしたら検索してひっかかるようになると思います
俺はそうグループチャットに投稿した。
[彩]お疲れーありがとう!!!たのしみーーー
[kei]おつおつ!ありがとございますー!
[かおり]お疲れさまです!ありがとうございます!
すぐに反応があった。
「みんな反応早いな、暇なの?」
杉本が言った。
「3人で旅行行くとか行ってなかった?温泉旅行。それじゃないかな?だから今一緒にいるんじゃない?」
「この前も行ってなかったあの3人。仲良いねほんと。」
それはそうかもしれないがあっちからしたら俺たち3人も同じようなものだろう。この年の瀬に講義もないの学校に来て一緒に作業してるんだから。
「それにしても終わったね、長かったなーほんと。わはは。」
「ほんとほんと。これほんとは3月くらいに出す予定だったのにね。半年以上遅延してるし。」
「そうだな。まあでも今回のはけっこう納得の出来だな。」
俺はテスト用にインストールしていたラスボスメーカーを見ながら言った。
「そうだな、ほんとみんなお疲れちゃん!」
杉本が満面の笑みで言った。
「ああ、お疲れ。」
「わはは、ほんとお疲れっす。」
こんなに気持ちのこもったお疲れという言葉もなかなかない。本当にみんなの頑張りのおかげだと感じていた。
「なあなあ、俺たちもさせめてどっか飯でも食いに行こうぜ。あいつらは温泉だけどさ、ま、どっか飲みにでもいこっか、打ち上げだ打ち上げ!」
杉本が立ち上がって言った。
「そうだな、そうしようか。」
「賛成だね。」
俺たちは名駅まで行き、近くの飲み屋で3人だけで打ち上げをした。
久しぶりの達成感だった。
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