ラスボスメーカー 第12話
植村からの返信は早かった。
[彩]ごめんごめん、連絡しようと思ってたんだけどいろいろあって。。
[彩]友達に相談したんだ、そしたらね、
[彩]みんなやりたいやりたいって言っててw
[彩]どうしよう、水原くん、へるぷw
俺と杉本、田上はちょうど講義中だった。情報数学の講義だ。
[あつ]うそ、すごいじゃん、やばw
[田上]わお
[田上]朗報?ですね。
朗報といえば朗報か。田上の言う通りだ。
[mzh]みんなに手伝ってもらえるならいいじゃん、よかったな。
俺は杉本と田上の投稿をみてそう返信した。教壇では数学科の教授がひたすら黒板で計算をしている。右へ左にスライド式になった黒板は合計で4枚もあるがそれらすべてはすでに計算式でうまっている。それをひたすら写経するのがこの講義の常だ。講義の間だけでは彼の言っていることを把握するのは難しい、それならばと生徒は必死に写経を続ける。テスト前に見返すために。そんなわけで俺もこの講義は必死に写経をしていた。どこまで書いたっけ、とノートと黒板を見比べていると植村からの返信がきた。
[彩]ちがうちがう、そうなんだけどね、、
[彩]どうしようかな、今日みんな暇?栄まできてよ、ご飯どっかいこー
なにかあったのだろうか。とりあえず今俺がすべきは写経だ、と切り替えて俺は続きを写していった。
「ここ消しますよー大丈夫ですか?」
教授が生徒に向かって言った。
「はい、消しますねー。」
そう言って教授は書かれた計算式の数々を黒板消しで雑に消すと、またその上から続きを書き始めた。
[あつ]オッケー、みんなで行くから、じゃまたそんときに話そ
杉本からの返信だった。
[あつ]あ、水原ちゃん、あとでノート見せてね、途中からついてけてないw
そんなことだろうと思った。
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