ラスボスメーカー 第11話

「うん、悪くないと思うよ、それ。よく思いついたね。」

田上にラスボスメーカーで使う予定のクラウドボックスの話をした。

「もちろん素直にPHPとかで作ってもいいんだけどさ、この間と植村さんの話じゃないけど僕たちもそんなことやってたら多分時間足りなくなると思うんだよね。だっからさ、その点、このクラウドボックスを使う、ていうアイデアはいいよね。だってクライアント側からAPIたたくだけでしょ?それならAPIの仕様書しっかり読んでおけば大丈夫。あ、でも気をつけないといけないのがあって、APIにはけっこう利用制限とかあるからそこだけはしっかり見ないとやばいかもね。」

「制限?」

俺は田上に聞き返した。

「うん、制限、うーん、例えば5分間に何回以上呼ぶと制限をしますよ、とか。制限されるとそれはサービスによってまちまちだけど、そのあとしばらくはエラーにされて返されるとかまあいろいろだよね。あっちも無制限にサーバあるわけじゃないからさ、やっぱりそのあたりは制限入れないとやってられない、てことだよね。」

「へー、やっぱ田上ちゃんすごいね、全然知らないや、そんなこと。」

杉本がカレーを食べながら言った。

「ううん、僕もけっこういろいろ作ってみたから知ってるだけ。別に全部は知らないしね。それにしても杉本くん、いっつもカレーばっかで飽きない?」

杉本は食堂ではだいたいカレーを食べていた。

「え、ここのカレーうまいよ。」

「違うよ、こんなにいろいろあるのになんでお前はいつもカレーなんだっていうことだよ、田上が言いたいのは。」

「あ、うん、まあそうなんだけど、そうだよね、カレーおいしいもんね、わはは。」

カレーの話はおいといてもクラウドボックスを使うのが問題なさそうなことはよかった。これでサーバの件はやはりだいぶ解決できそうだ。あとは田上が言っていた制限に引っかからないように注意して実装をする必要がある。おそらくその制限はクライアント側からむやみやたらにAPIをコールしないように設計するだけで回避できるはずだ。そのあたりはクライアント側でうまくデータの保存をするようにして回避をしよう。

「そういえばさ、彩ちゃん、手伝ってくれる友達みつかったかな?水原ちゃんなんか聞いてる?」

「いや、とくに。」

「うーん・・・。そっか。ちょっと連絡してみよっか。」

「ああ、グループチャットに投げといてよ。」

オッケー、と杉本は言い、持っていたスマホで俺たちが所属しているグループチャットにメッセージを投稿した。しばらくして俺のスマートフォンにもメッセージは届いた、「彩ちゃん、手伝ってくれる人みつかった???」と杉本からのメッセージが待機画面に表示されていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る