Jewels 第13話

14時。

校内のいたるところでスマホ片手に宝箱(Jewelsでは勾玉という設定なのだが、宝箱でいいだろう)を探している生徒たちの姿がみられた。

「なにやってんだあれ?」

「なに?なんかあったの?」

「あれだよ、あの2年のどっかのクラスがやってるゲームだろ?」

参加していない生徒たちの間でも話題になっていた。

Jewelsに参加しているグループはそれぞれ順調にゲームを進めているようだった。もちろんまだ宝箱を発見できていないグループも一部あるようだったが楽しめているようだ。

宝箱として設置しているビーコンは全部で100個。ビーコン自体は意外に安価なため用意することは問題なかった。心配だったのは設置場所。100個もうまく設置できるかと若干の懸念があったがそこは手分けしてやったことで解決した。

ただ、今日のこの様子をみていた俺は明日の2日目のJewels開催に向けて新たに仕込みをすることにした。ビーコンをプラス100台、そしてスマートフォンをプラス20台用意すること。

それらをクラスのメンバーに指示し準備を進めていた。

好評なことはいいことだった。俺たちの予想を超えていた。だが明日もこの調子でいくと今日の様子をみた生徒が参加を希望してくる可能性もある。参加グループの上限などを設定すれば回避は可能だができればそれは避けたかった。

問題はスマートフォンだった。

ビーコンは用意できてもスマートフォンはさすがに高価なため自宅で使用していないスマートフォンをかき集めることで今日は1日目は乗り切れたがさらにプラス20台が明日までに集まるかどうか。もしそれが難しい場合は明日、参加グループの上限を設定する必要があるだろう。先着順でエントリー、ということにせざるを得ない。


俺は明日の準備に向けて指示を出しつつ1日目のJewelsの状況を見守った。

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