Jewels 第8話

8月。

夏休み。

俺たち3人はいつもの俺の部屋で文化祭の話をしていた。

宝箱として扱うビーコンとそのビーコンからの電波を拾って宝箱を探すためのアプリの開発とゲームの詳細を詰めるためだ。ただ、アプリ自体はほぼほぼ仕上がっていた。はじめて扱うものも多かったがビーコンとスマートフォンの連携についてはWeb上にドキュメントが数多くあったこともあり作業は予定よりスムーズに進んだ。ビーコン関連はすでに枯れた技術、ということだろう。あとはアプリの見た目を随時修正していこう、ということにしていた。

「成長したねー私たち。」

植村もそう言っていたくらい、俺たち自身も自分たちの開発スピードに驚いたくらいだった。

そして肝心のゲームの遊び方についてだが、これも実は大方決めていた。

まず文化祭当日の午前中。

午前中はトレジャークルーズへのエントリーを受け付ける。1〜5名1チームとしてエントリーをしてもらう。これは俺たちの教室で受け付ける。(教室はトレジャークルーズ運営事務局、という設定になる。)

12時。エントリーしたチームへ順次ゲームの説明、宝箱を探索する用のスマートフォン(G-engineで作成したビーコンの電波をキャッチできるアプリがインストールされている)を配布していく。もちろんスマートフォンは各チームにひとつ。

13時。ゲーム開始。エントリーチームは宝箱を探しに向かう。発見した宝箱はその場で回収してもらうことにする。

16時。ゲーム終了。各チームは回収した宝箱を運営事務局に提出してもらい、結果集計。

そして結果発表。

という流れだ。

これを2日間行う、ということになる。

おそらくいろいろ問題はでるだろう。だが、一番の問題はこのゲームが面白いのかどうか、だ。そこで俺たちは試しにトレジャークルーズをやるのがてっとり早くて確実だ、という結論をだしていた。

文化祭が迫った8月半ば。

俺たちはクラスのメンバーに協力をしてもらい全員で"トレジャークルーズ"をやってみることにしていた。

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