第42話

季節は過ぎ去り、薄着が寒い季節となった。


レビューは一日一つ書くことから始まり、すでに30を越えることができた。

今まで読んだ絵本を丁寧に記録していく作業はとても大変だが、文字でスマホの画面が埋まると達成感がある。


先生と話し合った結果、通常授業では文字の練習をすることにした。今更小学生の国語のドリルを開くのは恥ずかしいので、プリントアウトさせてもらいこそこそ教室の隅で解いている。

未だ難解なことが多く、拡大コピーをしてもらうことで、助かっている。


目の前の黒板を見ると、またいい感じの文字を書いている先生が声を張り授業を進めている。授業に出てるだけでもいいか。


そんなことをぼんやりと思いつつ、進路について考える。

本当は大学に行くか迷っている。

今の状態では大学でも同じことである。

だが、高卒で働くとしても、資格などの後ろ盾がなくやっていけるかどうかも不安である。親は大学は行っといても損はないと話していた。

終業のチャイムが鳴る。生徒は帰りの支度をし始める。


私は自ら担任のところへ出向いた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る