第41話

部活では試合に向け、練習が強化されていた。次は絶対に勝ちたい。

ウチのポジションはトップ。走りこんだり、プッシュするための体幹を鍛えたり、シュートの練習したり大忙しである。

日々の練習が大きな一点を生むと考え夢中に走り込む。


「今週末は試合だ!くれぐれも怪我しないように!解散」

「「ありがとうございました!」」


最後の顧問の一言で練習が終わる。

他の部活は片付けが終わりそうだ。

ボールを一つ残しドリブルしながらジョギングを始めようとした時、まぜてーと同級生が一緒に練習をし始めた。

彼女は重要な選手の一人だ。

「ねぇー聞いてよ、ゆうこー。」

走り込むついでに世間話が始まる。

「彼氏とー、わかれたー」

「え、あの大学生と?長かったのに。」

「あいつ浮気してた。くそやろー。」

「まじかー、まあどんまい、次はいい人だよ。美人だし。」

「ありがとう、ゆうこちゃーん」

抱きつく仕草をしながらお互いスピードを止めない。持ち前の体幹が効いている。


「あんたに恋バナはないんかーい。」

「えぇーないよー。」

「彼氏は?」

「いないしいらなーい。」

ペースを上げた。

「そんなこと言わんのー。」

叫びながら追い上げる彼女は楽しそうだ。


校庭をぐるりと一周して、戻ってきた。

急に止まらないように、歩いてクールダウンする。

「部活後なのに体力あるね。」

「あんたもね。」


「本当に気になる人とかいないの?」

「え?」

「今のうちにしといた方がいいよ、恋愛。」

「へー。」


真っ暗になった校舎を横目に片付けを始めた。

ウチの秘密なんて誰にも言えないよね。

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