第40話

将来のためには今動かなくてはと私が作った計画はこうだ。

1日ストーリーを描いてその次の日絵を描く。それを日課にしてみる。

まあとりあえずやってみるか。

自宅で小さい机の前に座り、スマートフォンでメモを開く。

さあ、と意気込んでみたものの、画面では縦棒が点滅する限りである。


何も思い浮かばなーい!

さほど発想力がないのに何かをやろうってのが無謀だったかな。


「はあ、1日目にして終わりか。」

とひっくり返りながらぼやいていたところに、スマートフォンがかすかに振動した。

いつもどうでもよかったり、とても重要で有能なニュースを見られるアプリからの通知だった。


「レストランさかうえ 連日行列」

あまりにもどうでもいいニュースだったが、気がかりになり覗きに行く。

ただ単に遠い離れた都会の1店舗が表彰されたニュース。老舗の洋食店らしく、うん十年同じ味のハヤシライスと、現代にふさわしいアイデアを具現化するところが評価されたらしい。小太りの評論家が我が物顔で熱弁している。


はー私も評価されたい。

いや、まて、評価する側になればいいところとか、わかるんじゃないか?

コツを掴めるんじゃないいか?

小さくガッツポーズをし、絵本を探しに本棚へかけよった。

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