第37話
「将来の夢は学校の先生になることです。
なぜなら西先生が尊敬できるからです。」
小学生の私は授業参観で多くの注目の中、原稿用紙を両手にはっきりと述べた。
西先生とは私の一番好きな算数の先生だ。
普段の授業はわかりやすくてとても面白い。
すごい人は褒められ、勉強がたらない人はサポートバッチリ。
そんな理想的な先生だ。
私はそんな先生に憧れ、教師を目指したのだった。
だが、彼のような先生は空想上の生き物だったかもしれない。
念願の先生になった私は小学生の私より小さくなった。
周りの人間関係に悩まされ、責任の押し付け合い、正論の殴り合い。全てに挟まれ押しつぶされそうだ。
生徒の話も詳しく聞けない。
相手のこともわからない。
私はいったい何のためにいるのか。
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