第30話
ふゆみんどうなったかな。
社長出勤ならぬ社長登校はうちにとってはとてもプレッシャーで、みんなから注目を集めるものだった。だって遅刻したことないんだもん。2回くらいしか。先生には「高級ホテルのランチビュッフェの夢見てたら遅れました!」と説明したら、失笑を買った。
友達には怪しそうな目で話しかけられたが、明確にメニューを喋り始めたところでわかったわかったと納得してもらった。
時刻はもう3時間目が終わりそうなころ。
ふゆみんのお休みを担任に伝えるために、終業の合図が鳴ると同時に席を立った。
あいつはたしかこの時間は隣のクラスだ。
教室を出て覗くとあいつがいた。いやー苦手だわー。何考えてっかわかんないし。口数も少なくて、好きな人も少なそー。
「せんせ、ちょっと」
ドアから少し身を出して手招きする。
うちに気づき、こちらに寄ってくる。
「あ、あなたはたしか...」
「今日冬木さん休み。体調不良。それだけ。」
去ろうとすると、
「まって、冬木さんと仲良し?」
「仲良しじゃなかったら、休みなんて知らないです。」
「今冬木さんのことで困ってるんだ、助けてくれないか。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます