第24話

ひらがなとともに綺麗な絵が載っている。

そして私にとって思い出深い絵本である。

そんな本を出されては読まなくちゃいけない。

なにかいけないものを見るように、絵本に近く。いつもより目が絡む。

「私文章が読めないんだよね。

正確に言うと、ひらがなはギリギリよめて、漢字はうまくわからない時が多いだよね。中学までは書いてある数字とかひらがなを読み取って予測してたんだけど、高校になったらめっちゃ難しい漢字とか、文脈が簡潔で読み取りにくくなっちゃった。」

変な空気に慣れず、絵本を手に取りパラパラとめくる。


「ふゆみん。」

手を止めて、優子の方を見る。

「辛かったと思うし、今までこなしてきたことがすごいと思う。

苦手なことはそのままでいいよ。

ウチはふゆみんの文字の語り手になる姿が見たい。ふゆみんの見えてる世界を知りたい。」


「だからね、読み聞かせしてよ。思い出すために。」

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