第22話

優子には何でも見抜く力がある。

どんなことでもわかってしまう。魔法かなんか使ってそうだ。今回も目があって少し口角を上げ、こちらを見ている。

「え。」

何で私の家に

「ふゆみーん、おはよ。」

優子が??

驚いて固まる。

「ふゆみんこれ。返しにきた。それとプレゼント。」

率直に渡された。大きな絵本袋とラッピングされた袋。何かはわからないが、近づいてみる。

「ふゆみんが部屋着なの初めて見たかも。」

袋を貰うと私が過去に失くしたと思っていた、大事な絵本が入っていた。

「これ失くしたかと思ってた。」

パラパラとめくってみる。

「ウチに渡して忘れてたんだね。」

ラッピングのされた袋を開けてみる。

キラキラとした魚の絵本が出てきた。鱗を他人に渡している。

「これも私のお気に入りの絵本だ。寄付しちゃったから今はないけど。」

「なんかね、ふゆみんに渡したくなったの。ふゆみん綺麗な絵とかなら癒されるかなって。」

「優子、ありがとう。」


「今日は学校行く?」

「...。」

黙ってしまう。

「行かないなら、ウチも一緒にサボろうかなーって。」

「...え?」

「最悪部活出ればいいし。」

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