第18話
僕の作戦はこうだ。
僕のオススメの本を用意し、それを彼女に渡す。その本には僕の気持ちを認めた手紙を入れておき、読んでる途中見つけ、気持ちを伝えられるというものだ。我ながら完璧な計画ではないか。下調べではもうクラスや名前が判明している。クラスメイトは使える時に使うのが重要だ。
まずは僕のお気に入りの本を用意して、と言いたいところだが、僕が本を読んだ経験が少ない。教科書で真面目に読み解いた事しかなく、文学を楽しむことはしてこなかった。
まあいい、書店に行けば何かしらの本が宣伝されているだろうと期待し、歩き出す。
予備校の途中にある、大手チェーンの書店に入る。忙しく働く店員の合間を縫って、文庫本エリアに着いた。
彼女に合いそうな本はどれだ?平積みされているものに色とりどりな文句が並べられている。店員〇〇さんのオススメだの若い女性に人気だの売ろうと必死に宣伝している。
「まあこれでいいか」
と若者にオススメというポップがついたものを手に取った。
今度こそ成功させるぞ。意気込んでレジへ向かった。
レジの途中にある絵本エリアがなんだか騒がしい。少し目をやると僕の学校の制服を着た女子生徒がうーんと唸りながら、吟味している。
その歳で絵本かよ。
まあいい、さっさと会計を済ませなくては。
僕は無駄な時間が苦手だからな。
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