第17話
ふゆみんに貸してもらったものを返すときがきた。
ふゆみんには小中高と一緒にいてくれた。
周りはウチの鋭い指摘を恐れて離れていくなか、彼女だけは近くで見守ってくれていた。
中学になって、部活やらなんやらで離れることが多かったが、相手を思う気持ちは何だかんだで残っていた。
日課の夕方の走り込みはウチにとって反省会の時間だ。
テンポを落とさず、足のリズムを刻む。
今日また、友達にきつい一言をかけてしまった。あの子には共感してあげればよかったな。
今日のトピックはなんといっても、ふゆみんを励ますには何がいいのか。
いやー、学校来なくなったらやだなー。
ふゆみん自身が明るい考えにならないと進めないよなー。とか思いつつ、思い出してみる。
そういえばふゆみんが本の虫になったきっかけってなんだっけ。たしか絵本の読み聞かせしてたっていってたな。絵本から漫画とか行かずになんとかカールの本とか、あとは狐の買い物の話とか読んだっていってた気がする。
絵本だったら、ひらがななら読めるんじゃない?自信ないな。
今その考えは危険かな。いややってみるしかないわ。
あ、ウチにふゆみんから借りた絵本があったわ。中2の時に突然持ってきて、おかしすぎると思ったけど、部活で怪我した私を励ましたかったんだろうな。
よし、借りを返すときがきた。
保っていたテンポを少し早めた。
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