ヒーローがいるのに平和な街の裏 六
「じゃ、行ってきな。絶対に切裂の奴を捜すんじゃないよ」
荷物を肩にかけ、エレベーターの前に立つ僕をヒーロー夫人は見守ってくれた。そんなに気にかけなくてもいいとは思うが、やはり僕が徳永切裂を捜しに行かないかどうか不安なのだろう。
正直、僕も徳永切裂を捜しに行こうとする自分を抑えられるか不安だ。実際、僕は今直ぐにでも徳永切裂を捜し出そうとしている。滅多に許されない地上に行くんだ。チャンスを活かさない手はない。
だけど、まだ僕にそれはまだ早い。的を狙い続けるくらいのことが簡単に出来ない僕の力では、徳永切裂を追い掛けるなんて不可能に近いからだ。跳弾を利用して的に何発も当てるなんて神業を見せたヒーロー夫人でさえ、徳永切裂を恐れている。それなのに僕なんかが徳永切裂の居場所を突き止める……ましてや、徳永切裂を『殺す』なんて出来る訳がない。
しかし……自分を抑える自信がない。
前回地上に行った時は徳永切裂の居場所を突き止める為に僕の家へ向かおうとしていたからこんなことに悩まされる必要はなかった。何が起ころうと、僕の目的に変わりはないからだ。
だけど、僕は地下で生活することによって自分がどれだけ非力か知ってしまった。何もヒーロー夫人だけじゃない。地下に住んでいる全ての人達が、何かしらの戦闘術を持っていたからだ。
というより、全員拳銃を扱うことに手慣れていた。元が悪人云々なんて関係がない。僕が朝早く起きて技術を磨いていることを知った地下の人達が僕に教えてくれたのは、明らかに素人のものではなかった。
瞬間的に、次の弾を入れる特殊な指の動き。
撃つ目標を目で追わず、音や気配で把握する仕方。
銃を使っての防御術。
全てが全て、僕にとって目新しいものばかりだった。
ここの人達は……本当に『元』悪なのだろうか? これ程までの技術を持ちながら、何故ヒーローとやらに復讐をしようとしないのだろう?
何故、地下に銃があるのだろう?
疑問が膨らむばかりだったが、高梨君さえも銃をいじっている姿を見て質問する気にならなかった。何か特別な事情があるのだろう。それなら、部外者の僕が口を挟む問題じゃない。
そう思ってその場は引き下がったが、地下の人達の教えのせいで僕は自分の力に自信が持てなくなってしまった。
だから、僕は悩んでいる。
徳永切裂を大学に行くついでに捜すかどうかを、悩んでいる。
そうやって考えに考えて、ずっと下を向きながら黙っている僕を見ると、ヒーロー夫人は、ハァ、とため息をつき、こう言った。
「切裂の奴を捜さないって、約束出来ないのかい」
「……すみません」
「すみませんじゃないよ、全く。今のあんたが切裂を捜して、ただですむ訳がないだろうが」
「わかっています。だけど、それでも……それでも僕は、徳永切裂を許せないんです。徳永切裂がこの世に居ることが許せないんです。徳永切裂が食事をするのが許せないんです。徳永切裂が呼吸をするのが許さないんです。徳永切裂が少しの時間でも動き続けるのが許せないんです。徳永切裂が生きているのが、はらわたが煮え繰り返って煮え繰り返るくらい……許せないんです」
「……ハァ。そうかいそうかい。要するに、あんたは何が何でも切裂を捜し出したいんだね。自分がどうなろうが関係なしに」
「……否定は出来ません」
ヒーロー夫人が言うように、結局のところ僕は徳永切裂を捜し出すだけでいいのかもしれない。徳永切裂の姿を見たら、僕は何も考えずに特攻するとわかりきっているからだ。
ヒーロー夫人は何度目かわからないため息をつくと、僕を真っ直ぐに見た。
「今のあんたが、もし徳永切裂を捜し出したら、間違いなくあんたは返り討ちになる。そうなったら、元も子もないだろ? あんたの目的は何だい? 徳永切裂に殺されることかい? そうじゃないだろ? あんたの目的は、徳永切裂に復讐……つまり、徳永切裂を殺して家族と恋人の仇を討つことだ。だったら、今はまだ早い。もう少し待てば、あんたの力は成長する。徳永切裂だってまだこの街から出ない。……これだけ言っても、まだあんたは徳永切裂を捜そうと思うかい?」
こう言うヒーロー夫人の目は僕を審査する目だった。朝に弱い筈なのに目を鋭くし、僕を睨みつける。蛇に睨まれた蛙とはまさに僕のことだろう。恐怖すら感じた。思わず体が震える。
それでも、僕の心は揺るがなかった。
「すみません、ヒーロー夫人。無謀だと思ってます。だけど、これだけは譲れません」
「…………チッ」
唖然とした顔で僕を見たヒーロー夫人は、露骨に舌うちすると、「あーもう!」と綺麗な髪を両手でかき、騒ぎ始めた。場違いだと思うが、子供みたいなヒーロー夫人の動作が珍しく、なんとなく得した気分になる。
「そこまで言うならあんたをこれ以上止めないよ! 私には、あんたを止めることは出来ない! ったく、何でだい! 何で復讐に駆られた奴らは皆、そうやって自分を追い込んじまうんだ! やってらんないよ、全く! どこにでも行くがいいさ! あんたが死んだって、私にゃ関係ない! とっとと行きな! あんたの顔なんて、これ以上見たくない!」
大声で僕を怒鳴りつけたヒーロー夫人は、直ぐさまカウンターの後ろに入ってしまった。僕と、空気を読んだのか何も言わなかった高梨君だけが取り残される。無言の状態が僕達二人を包んだ。
「……佐藤さん。俺からも言わせて下さい。本当にこのまま、徳永切裂とかいう危ない奴を、捜しに行くんですか?」
「大学に行くついでだよ」
「徳永切裂を捜しに行くついでに、大学に行くんでしょう?」
「…………」
僕は、高梨君の心配してくれる視線に何も応えることが出来なかった。
「……わかりました。佐藤さんがその気なら、俺は止めません。俺にあなたを止める義理も必要もありませんから」
言うと高梨君は、僕に背を向けた。高梨君らしくない、冷たい言葉だと思った。
「エレベーターが動く為のパスワードは毎日変わります。エレベーターに入った後、『俺は人間をやめるぞ』と言って下さい。エレベーターから降りて地上に出た後、四分三十五秒待って下さい。そうしたら、佐藤さんは徳永切裂を捜しに行くことが出来ます。さようなら、佐藤さん。今まで楽しかったです」
「……はい」
僕はエレベーターに入り、上に向かうボタンを押して「俺は人間をやめるぞ」と言った。カウンターへ走って向かう高梨君の姿を、僕は最後まで見た。
そして、エレベーターの扉は閉じ、地上へと向かう。体が上へと引っ張られる感覚が僕を襲った。
高梨君。
ヒーロー夫人。
今日の夜、もう一度会って謝れるか、自信がなかった。
けれど、僕は徳永切裂を捜し出す。
「……ううぅ……あぁぁーーーーーっ!」
自責の念。怒り。拒絶された。悲しみ。憎しみ。苦しみ。復讐。殺意。
様々な言葉と様々な感情が入り交じり、入り混じり、意味や訳がわからなくなった僕は、何の意味もなくエレベーターの壁を拳で殴りつけた。ガスン、と大きな音がし、右拳が痛む。それでも、溢れ出る感情の波を抑えることが出来なかった。
復讐とは……これ程までに辛いことなのか?
口から、鳴咽が漏れる。
誰も、気にかけてくれる人はいなかった。
数分後、エレベーターが地上のトイレに着く。レトロな町並みが僕の視線に入り、トイレから出ると、静かな空気が僕を包んだ。濡れた目を服でふき、前を見据える。悩んでたって仕方がない。仕方がないなら、前に進むしかない。肩かけバッグを探ると、中から手書きの地図が出てきた。ぐちゃぐちゃで何がなんだかわからない。わかるのは、現在地という文字と、久貝田大学という文字だけだった。久貝田は『くがいだ』と読む。さっき、ヒーロー夫人に教わった。その時の情景と最後に聞いたヒーロー夫人の言葉を思い出し、悲しい気分になるが、気にしないことにした。
高梨君が言うには、エレベーターから降りた後、四分三十秒待たなければいけないらしい。今の時間は七時二十分。腕時計を見ながら、四分三十秒経つのをひたすら待った。
すると、ふと僕は気付く。
こんなこと……前回地上に来た時、高梨君は言っていたか?
そう思うと同時に。
ほぼ同時に、後ろのトイレの扉のロックがかかった。
……嫌な予感がする。四分三十秒待つ意味が、一つしか思いつかない。
それでも僕は、その場から動かなかった。
嫌な予感がすると同時に、嬉しい予感がしたからだ。
四分三十秒が経った。
トイレのロックが解除され、色が赤から青に代わった。
トイレの扉が開かれる。
「五秒の話し合いの結果、俺とヒーロー夫人の意向が合致しました」
その言葉の主を見て、僕は顔を綻ばした。
「……どんな話し合いをしたんですか?」
トイレの中で僕を睨み続ける言葉の主は、こう言う。
「『後をつけな』、『はい』です。佐藤さん」
トイレから出ると、僕を真っ直ぐに見て、高梨君はこれまでにない程真剣な表情で呟いた。
「俺があなたを止めます。今日一日、俺はあなたが大学に行った後、すぐ帰るか、見張ってます。俺も、言葉には出さないけど……ヒーロー夫人も、あなたが心配なんです。死んで欲しくなんかないんです。だから……」
高梨君は僕の両肩に力強く両手を置くと、僕にこう言った。
「謝って下さい、佐藤さん」
「…………」
何も言うことが出来なかった。
こんなに、僕を心配してくれる人達がいる。このことが、ここまで嬉しいなんて、思いもしなかった。
……そうだよ。
僕が死んだら、高梨君とヒーロー夫人はどうなる? 悲しむんじゃないか?
そんなの、嫌だ。
死んで取り残された奴の悲しみを、こんなにも優しい人達に背負わせたくない。
僕は、迷いをふっ切ってこう叫んだ。
「生意気言って、すいませんでした!」
その後、高梨君は僕の横で笑いながらずっと喋ってくれた。久貝田大学の場所がわからなかったので、ぐちゃぐちゃの地図を見せて「どうすればいいからわからないんだけど」と正直に言うと、高梨君が笑い転げた。
「これ、ヒーロー夫人が書いたんですよ。いやー、久しぶりに見たなー、このひっどい絵」
高梨君が声に出して笑っている横で、僕は温かい気持ちになった。後でヒーロー夫人にも謝ろう。
久貝田大学は仮設トイレから歩いて十分の場所にあるらしい。しかし、肝心の場所がわからない上、早朝なので誰一人通行人が居ないせいで、久貝田大学に着いたのは八時十分を越えていた。門の向こうに、高くそびえるビルのような建物が右にも横にも斜めにもそびえる。茶色のタイルで彩られた床は、太陽の光りをよく反射した。
高梨君の横で、高梨君と同じように荒いだ息を調える。危なかった。確か八時三十分が一時間目の始まりの時間の筈だ。こんなにギリギリの時間になるとは思っていなかった。
「それじゃあ佐藤さん、これを服のポケットに入れて下さい」
そう言って高梨君が取り出したのは、何だかわからない小さな黒いマイクだった。
「これは?」
「盗聴器です。それに内側にカメラも仕込んでます。佐藤さんがどんな行動をしてても、筒抜けという訳です」
「……これは、一体どこで手に入ったんですか?」
すると高梨君は、一回笑って言った。
「ヒーロー夫人から、ついさっきです」
「……そうですか」
僕は、何の躊躇いもなしに胸ポケットにマイクの部分を上に向けて入れた。高梨君は説明しなかったが、こうやって上に向けた状態じゃないと服が邪魔して見えなくなるんだろう。
高梨君は僕がマイクをポケットに入れると、「ありがとうございます、佐藤さん」と満足して言った。
「んじゃ、俺はこれで。この近くで見張ってるんで、変なことをしようとしないで下さいよ」
「わかりました、はい、わかりましたよ」
笑ってこう返すと、ヘヘヘと鼻に指をかけて、高梨君はその場を去った。
さて。
色々あったが、僕のとりあえずの目標は大学に行って一つでも授業を受けることだ。それ以外は、あまり考える必要はない。
向かう場所は南館三階の教室。肩かけバッグに入っていた紙にそう書いてある。とりあえず右の建物に行くと、南館だった。運がよかっただけだけど、少し嬉しくなった。南館に入り、横に二つ並ぶエレベーターを見つけると、急いで入り、三階に向かうボタンを押した。エレベーターが上昇し、一分も経たない内に着く。
扉が開き、エレベーターから降り、急いで教室とやらを探そうとした。白色の廊下や壁の間に、ドアが等間隔で並ぶ。残り時間も僅かだ。全く大学生を見ないのもそういう意味だろう。そう思っていたら、一人見つけた。しかし、何だかやつれた様子で、柱の影に隠れてしまった背中で人を判断するのは難しかった。
しかし。
「……え!」
ここで僕は、驚愕することになる。
やつれた大学生の後ろに、遠目からでもわかるくらい満面の笑顔で、彼女は現れた。カジュアルな服装、細長い美脚、それなりに大きな身長…そして、何度見たかわからない、僕が愛しく思うあの顔。
亜希子が。
柳田亜希子が。
徳永切裂に殺された、柳田亜希子が、確かにそこに、間違いなく存在した。
「亜希子!」
迷わず僕は叫び、駆け出した。死んだ筈の亜希子が生きていた。そんな突飛な考えがすんなり思いつく程、目の前の彼女は亜希子に似ていた。
いや、似てる似てないの問題じゃない。
彼女は、亜希子だ。
「ひゃっ……えっ!」
彼女は突然の僕の大声と、突然近づいた僕に体をびくつかせる。構わない。亜希子が生きてたんだ。 もう他に、何も考えられない。
「亜希子! お前、今までどこにいたんだよ! 死んだかと思ってた! なぁ、なんでこんな所にいるんだ? 何でだ? 何でなんだ? なぁ!」
「ちょ……何で何でうるさいっての! 誰よアキコって! 知らないわよ、アキコって人!」
そういうと彼女は、彼女の両肩を勢いよく揺らす僕の両腕を思いっ切り離した。ハァ、ハァ、という声と共に、彼女は息を整える。そして、こう言った。
「朝っぱらから人違いで体を揺れに揺らされて、こんなに顔を近くに寄らされて……こんな……こんなの、気持ち良過ぎるじゃないのよ!」
「…………へ?」
サー、と何かが去っていく音が僕の中をこだました。……って、あれ? 亜希子って、こんな風に両手で体を包みながら、こんなに赤くとろんとした……いかにも気持ち良い快感を得たような……表情をする奴だったっけ……?
不思議に思っていると、僕の視線に気付いた彼女は顔をハッとさせ、身を取り繕った。どうやら恥ずかしかったらしい。「えー、ゴホン」と言うと、こう続けた。
「とにかく、私はアキコって名前じゃないよ。私の名前は叶香里。お金とスポーツをこよなく愛する、ただの女子大生なんだよ」
「叶……香里……?」
目の前の女性は、自分の名前を叶香里と言った。依然戸惑っている僕だったが、これだけはなんとかわかった。
この人は、亜希子じゃない。
だけど、亜希子に似ている。
うり二つとはまさにこのことだろう。冷静になってみると亜希子と髪型が違ったけど、(亜希子は肩までの長さのショートヘヤーに対し、この人は恐らく長いであろう髪をポニーテールにしてまとめていた)、それでも、顔や体格が酷く似ていた。似過ぎているといっても過言ではないかもしれない。
違うのは、髪型だけだ。
亜希子はあんなおかしな反応をする人じゃなかったけど、あれ以外の仕草や雰囲気はそっくりそのままだった。
「そう。私は叶香里。だからさ、君が言ってるようなアキコって人じゃないの。わかったら、肩から手を離してくれない?」
「……はい。すいません」
そう僕が言うと、叶香里という名前の女性は僕の両手を剥がした。そして、そのまま教室に向かおうとする。その教室は僕が次受ける授業の場所ではなかった。つまり、このまま彼女を見送ると生半可なことではもう一度会うことが出来なくなる、ということだ。
……って、待ってくれ。
それは、嫌――だ。
何とかして、またこの人と話しがしたい――!
「待って下さい!」
僕は、知らず知らずの内に叫んでいた。しかし、叶香里という名前の女性は、僕の方を振り返らずに教室に入ろうとする。流石に気味が悪いと思ったのだろう。当然だ。朝にいきなり肩を掴まれ、大声でまくしたてられたら、誰だって不審に思うに決まっている。
それでも僕は諦め切れることが出来なかった。それこそ、当然だろう。今の僕の心の中には、先程までの復讐心は全くなかった。
あるのは、亜希子への思いだけ。
僕は、叶香里さんに向かって走りだそうとした。距離はそれほど開いていない。この距離なら、チャイムはまだ鳴らない筈だ。
すると、教室の扉を開けようとした叶香里という人が、ふいに後ろを振り向き、僕を見た。
そして、こう言った。
「……これ以上付き纏うつもりなら、授業が終わってからにしよ。もう、始まるからさ」
叶香里さんは、これ以上喋る気はないというような雰囲気を醸し出して教室への扉に手をかけた。僕には背中しか見えていないけど、とてつもなく嫌な表情をしていると思う。それくらい、彼女の声は低かった。
だから僕は、こう叫んだ。
「校門の近くで、待ってるから!」
亜希子に似た叶香里さんは、一度ピタリ、と動きを止めたかと思うと、結局僕に顔を振り向かせずに教室に入っていった。
世界には自分と似た人間が、自分を含めて合計三人いるという話は、僕でも聞いたことがある。今の今まで、僕はそんな話を信じたことも、感慨深く思い返したこともそんなに無かった。
でも、亜希子に似た人が、徳永切裂が逃げ込んだ街に住んでいた。
あまりの出来事に呆然としていた僕を、廊下に響いたチャイムが急かす。
「……とりあえず」
今は叶香里さんのことは忘れて、授業に集中しよう。
多分、無理だろうけど。
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