第158話 ある休日

 仕事が休みの日、わたしはテレビを見ながらホットマットの上で寛いでいた。すると猫がキッチンのテーブルの向こう側から、わたしを見ている。寒いのかもしれない。体を縮めるようにして、わたしをじっとりと見ている。寒いのならわたしと一緒にホットマットの上に座れば良いのに。わたしは猫を呼んでみた。しかし猫はわたしを見つめているだけだ。おそらく猫はわたしのベッドへ行きたいのだろう。わたしは仕方なくベッドに横になり掛け布団を掛けた。すると猫は直ぐにわたしの体の上に乗ってきた。やはりベッドで一緒に寝たかったのか……。

 なんのためにホットマットを出していると思っているのだろうか。猫のためなのに……。

 まあ、休みの日くらい猫との昼寝も良いかもしれない。しかしホットマットの電源をオフにしてくるんだった。ホットマットを使用していないのに電気代だけは上がりそうだ。


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