第141話 ごはんの準備中に
わたしが猫のごはんを準備している時だった。
猫のごはんはキッチンのシンクの下に入れてある。わたしは扉を開けて猫のごはんの袋を出してから一旦扉を閉める。しかしその日は扉を閉め忘れてしまっていた。食欲魔神である猫がそんなチャンスを見逃すはずはなかった。猫はすっとシンクの下の扉に顔を突っ込んだ。そして猫の口には、別のごはんの袋がくわえられている。そのまま逃げようとする猫の様子にようやく気づき、わたしは声をかける。
「こらこらこら、それを離しなさい」
わたしは猫の口にくわえられているごはんの袋を引っ張った。しかし猫もそう簡単には離さない。わたしは猫の頭を押さえごはんの袋を無理矢理引き剥がす。
まったく油断も隙もない。ごはんの支度をしているというのに別のごはんを盗み出そうとするとは。
ウチの子(猫)の食欲はどこからくるのだろう。
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