第96話 来ないで

 夜、猫とわたしはベッドで寝ていた。わたしが寝返りを打とうとした時、背中に何かが当たった。猫の手だ。自分の陣地にわたしを入れまいと、わたしの寝返りを阻止しようとしたらしい。

 しかし危ないところだった。わたしが猫の手に気づかなかったら、猫ごと押し潰していたかもしれない。いや、ウチの子(猫)ならその前に逃げていたかもしれないが。それにしても猫も自分の手一本でわたしを止めようとするとは。猫にとってはわたしは巨体ではないだろうか。

 結果的には止められたが、猫はわたしを止められると思ったのだろうか。

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