第9話 眼科(後編)

 わたしは眼科でもらった薬を早速猫にあげてみることにした。

 まずは、いつものごはんであるドライフードのカリカリと一緒に食べられるように、錠剤をカリカリに混ぜることにした。たった一粒だが、いつものカリカリより大きい。大丈夫かと見守っていると、猫はあっけなくカリカリと一緒に食べてしまった。

 なんだ、簡単じゃないか。

 わたしは安心して、朝夕の二回錠剤を食べさせた。

 だが後で病院の先生に聞いたところ、錠剤を食べる猫はあまりいないのだそうだ。鰹節の匂いがついているとはいえ、錠剤は硬いし大きめなので、猫は食べないのだそうだ。だいたいは粉薬を選択するようだ。病院の先生は、ウチの子(猫)の食べっぷりに驚いていた。

 ウチの子が食欲魔神で良かった、と初めて思った。ウチの子はとにかく何でも食べようと貪欲だ。それが良いことへ向かうとは。薬をカリカリに混ぜ忘れても、薬一粒だけでも食べるウチの子。偉い!

 これで少しでも猫の病気の症状が治まれば良いなぁ。それと、薬の値段がもう少し下がらないかな。五ヶ月分が二万円弱。ん?一ヶ月で四千円だから、そこまで高くないのだろうか。

 しかし一生飲むことを考えると、やっぱり高いと思う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る