高校1年生編

第2話「高校生活・・・スタート!」

今日は、入学式があるせいか・・・、いつもより起きるのが早かった拓也だった。

(拓也)『あれ?いつもより・・・早すぎだろ!』

「ピロロロロ」

その時、拓也のスマホが鳴った。相手は南美だった。

(拓也)『こんな朝っぱらから何のようだろう』

拓也は電話に出ると、慌ててる様子の南美の声が聞こえた。

(南美)「ねぇ~、菜奈美ちゃん居る?ていうか、起きてる?」

(拓也)「お前じゃないんだから起きてるよ。菜奈美がどうした?」

(南美)「その言い方酷くない?まぁ~良いや。じゃあ今からお邪魔するね。」

と言うと、南美は電話を切った。それから、数秒後、インターホンが鳴り南美が家に来た。

(南美)「菜奈美ちゃんの部屋どこ?」

(拓也)「二階の奥。」

すると、南美はまるで遅刻寸前の様に階段を駆け上がっていった。

数分後、南美と菜奈美が一緒に降りてきた。

(菜奈美)「拓也お兄ちゃんどうよ?菜奈美の実力は。」

さっきまでは、伸ばしていた髪がしっかりと束ねられてる。

(拓也)「菜奈美、明日から金取るべきだろうww」

(南美)「拓也君酷いよ~。菜奈美ちゃんはそんな事しないよ~。  

     それより、早く学校に行こう!みんな、待ってるよ!」

そう言うと、南美は拓也の手を引っ張りながら走り出した。


入学式を終えて、

教室に戻る拓也達。新設校なので、開校式も含めて時間が長かった。

教室には、特待生しか居なかった。みんなそれぞれの才能を認められて入学してきている。すると、金髪の男がこっちに近づいてきた。

(???)「久しぶりだな。拓也、それに裕也も。」

男はそう言うと、裕也は怯えだした。

(拓也)「何で、お前がここに居るの?」

拓也はそう聞くと、男は長々と話し始めた。

(???)「アメリカでも言っただろ?日本最強と呼ばれたピッチャーを粉砕するって。

       バッターは軟弱だったけどなwでも、聞くところによると、

       このど田舎の町に住んでいるらしいからな。だから、

       ここに留学してきたって訳だ。でも、誰なんだろうな?

       日本を代表するピッチャーって。

       日本最強のバッターが軟弱だったからあまり期待はしてないけどな。

       拓也、お前本当に知らないのか?まさか・・・・・・、じゃないよな?

       お前、アメリカでは野球やってなかったのに、何でここに

       特待生入学できてるんだよ?しかも、野球の道具も持ってきちゃってさ。

       どうなんだよ!」

男は、アメリカにいた頃の拓也との違いに気づくと早速迫ってきた。

日本最強と呼ばれたのは、数年前の話だし、その後、拓也を越える存在が日本野球界に出てこなかったのが現状だった。

(拓也)「クリス、お前は無理だよ。日本を代表する投手だぞ?

     たかが、裕也を倒したぐらいで調子こいてる様じゃ無理だな。」

拓也はそう言うと、クリスはこう言った。

彼は、クリス。アメリカからはるばる留学してきた少年で野球の才能が素晴らしいく、

アメリカで有名だった。

(クリス)「そう言うか・・・。でもな、こっちもアメリカンドリーム

      託されてるんだよ。日本如きに負けれないんだよ。」

そう言うと、南美が話しに入ってきた。

(南美)「でも、私は絶対に拓也君が勝つと思うな~。」

その瞬間、クリスが南美に聞いてきた。

(クリス)「ジャパニーズガール。何でこいつが出てくるんだ?」

(南美)「だって、日本最強投手とかって、全部拓也君の事だよ!」

南美がそう言うと、クリスが笑い出した。

(クリス)「お、お前が日本最強ピッチャー??おいおい、嘘だろ?」

(拓也)「何で、言うんだよ。南美」

(南美)「え!?言っちゃいけなかったの???ごめん。だって、拓也君凄いもん!

     南美は、絶対勝つって信じてるよ!」

(クリス)「まぁ~、良いじゃないか。お前が相手か・・・、拓也。

      俺は、アメリカの意地とプライドに掛けて、お前を倒す!!

       今から、勝負だ。軟弱なバッターとの対決より、良い勝負バトルにしよう。」

そう言うと、クリスはバッグを持って野球部の専用練習場に向かった。

と、同時にクラスがざわついた。

(クラス女子A)「え、もしかして・・・、本物の本田兄弟?」

(クラス女子B)「え、嘘でしょ。凄い二人ともイケメン~。」

(クラス男子A)「じゃあ、あのクリスもアメリカ最強バッターだったんだ。」

(クラス男子B)「これは、入学早々見所だな。」

(クラス男子C)「じゃあ、みんなで見ちゃおう!それに、聞いちゃおう!

          この二人の対決どっちが勝つと思う?」

もちろん、クリスの方が圧倒的に多かった。でも拓也は目を疑った。

[10人?]

そう、拓也の勝利を信じてるのがこのクラスに居るのだ。

拓也のクラスは、40人で、拓也と、クリスには投票権がないので、38人が投票し、その中の10人が拓也に入れたのだ。

拓也は嬉しかった。と、同時に勇気をもらったように感じた。

(拓也)「俺に入れてくれた人・・・・・・・、ありがとう。みんなが思う気持ちは分かる。

     今、野球の母国アメリカを騒がしてる野球プレイヤーが

     数年前に小さな日本で少し騒がれた野球プレイヤーと戦ったら結果は

     やる前から分かる・・・・・・。

     でも、俺は俺を応援してくれた10人の誇れるような戦い、

     誇れるような野球人でありたい。それだけだ。本当に入れてくれてありがとう。

     じゃあ、裕也。あのアメリカから来たお客様にをたっぷり日本の野球を

     堪能してもらうかするか・・・、行くぞ!」

そう言うと、拓也は裕也を連れて練習場に向かった。


グランドでは、クリスがアップを始めてた。ユニフォームに着替えて練習してた。

拓也はロッカールームで着替えてブルペンに向かった。

(裕也)「ねぇ~、兄さん。あいつを倒す方法はあるの?」

裕也は、不安そうな表情で聞いてきた。自分が負けてるから、兄には同じ道を歩んで欲しくないそう思ったのだ。

(拓也)「気にするな。ここは、侍魂サムライスピリッツで、粉砕するさ。」

(裕也)「む、無理だ。いくら兄さんでも相手は、世界だ。敵う相手じゃないよ。」

(拓也)「最初っから敵う相手だったら苦労しない。

     それに、日本人はな、昔から侍魂だけは、しっかり遺伝してきてるんだよ!」

(裕也)「それは・・・・・・、そうだけど・・・・・・。でも、スペックさがあり過ぎでしょ。」

(拓也)「それは、分かってるよ。でも、やるしかないでしょ。ここで、逃げた方が軟弱だよ!」

そう言うと、拓也達は投球練習をし始めた。

一塁側ベンチは、南美、新次郎、芯、ルイ、勇気、舞、千夏、詩織が居た。

(勇気)「裕也達・・・、あんな化け物と戦うのか・・・。」

グランドでは、クリスがバッティング練習をしていて、もう、数何球かスタンドインしてるのだ。

(舞)「でも、みんなは二人が勝つって思ったから投票したんでしょ?」

(勇気)「確かに・・・、二人に入れましたよ。でも、クリス君の力を全然知らなかったので。」

(新次郎)「あんな化け物に何も言わず勇敢に立ち向かおうとする拓也の気持ち

       分かるのか?

       目の前で弟が敗れてあんな風に言われて悔しかったに決まってる。」

(芯)「それに、表にはあまり出さないけどあの二人負けず嫌いなのは

    君たちもしってるでしょ?」

(千夏)「あ、確かに・・・。裕也君[兄さんには負けたくない]って言って練習してたっけ。」

(ルイ)「まぁ~でも、こっちには女神もしるし、大丈夫だよ。なぁ~、南美。」

(新次郎)「まぁ~、そうか。拓也が居なかった時ずっと拓也の事思ってたらしいし。

       たくよ、お前らの事を理想のカップルって言うんじゃないか?」

そう言うと、南美は顔を赤くしてた。

(舞)「み、南美ちゃん?」

(南美)「え、あ、うん。二人の応援しないとね!」

(詩織)「どうやら、彼女は相当自覚してるようね自分の恋愛感情に。」

(南美)「そう言う事言わないで!もう・・・。」

すると、そこにクリスがベンチ前にやってきた。

(クリス)「ヘイ!ジャパニーズガール。嫌、本田南美。」

(南美)「え、私!?」

(クリス)「イエス。実は、今日君に会って一目惚れしたんだ・・・。

      結婚前提でお付き合いして欲しい。」

みんな、呆然した。まさか、クリスがこんな事言うとは思わなかったのだ。

(南美)「む、無理です。わ、私には好きな人が居るんです。

     まだ・・・、想いは伝えてないけど・・・・・・。」

(クリス)「そいつは・・・、あの本田拓也なのか?」

クリスが聞くと、南美はうんと頷いた。すると、クリスは笑い出しこう言った。

(クリス)「じゃあ、こうしよう。今日のこの勝負で俺が勝ったら、俺と付き合う。

      俺が負けたら、もう二度と恋愛感情は抱かない。約束だからな。」

そう言うと、クリスはグランドに戻った。

(ルイ)「これは・・・、拓也君達には必ず勝ってもらわないとね。」

(南美)「うん・・・。何か、変だね。人に人生左右されるのって。」

南美は笑ってそう答えると、グランドをじっと見た。

(千夏)「大丈夫?・・・。南美ちゃん。」

(南美)「大丈夫だよ!でも、一番見たくないのはこっちでの最後の試合・・・。

     サヨナラ負けしたときみたいに拓也君の泣き崩れるところだけは

     私見たくないんだ。」

その時、奥から拓也と裕也がやってきた。

(新次郎)「その表情だと、やる気は漲ってるようだな。安心安心。」

(拓也)「どうした城本?いつものお前だったら[もっと力抜け]とか、

     [どうせ負けるんだから気合入れすぎなんだよ]とか言うくせに。」

(芯)「まぁまぁ。で、ここは聞こうじゃないか勝負の配球を・・・。」

全員は驚きを隠せなかった。

(8人)「全球直球勝負!?」

(拓也)「あぁ。力でねじ伏せる。」

(ルイ)「ちょ、ちょっと、今の状況もうちょっと考えてよ!」

(拓也)「何が?」

(南美)「ルイちゃん!良いよ・・・。拓也君、頑張ってね!

     今日はこのベンチから応援してる・・・。でも・・・、

     サヨナラ負けのときみたいに泣き崩れないで・・・。そんな拓也君見たくないから。」

南美は涙を流してた。そんな南美に拓也は笑顔で答えた。

(拓也)「わかったよ。だから、泣くな!

     お前はいつまでも近くで見守ってれば良いんだよ。じゃ、行ってくる。」

(南美)「・・・。いってらっしゃい!」

そう言われると、拓也は元気良くグランドに飛び出した。裕也もベンチを出ようとしたが、勇気に呼び止められた。

(勇気)「裕也!相手は、アメリカの選手。心して戦ってよ。」

(新次郎)「それに、これはおめぇ~らだけの問題じゃねぇ~からな。」

(裕也)「どう言う事???」

(ルイ)「南美、何で言わなかったの?言っといた方が配球も本気になるのに・・・。」

(南美)「言っちゃいけないよ・・・。それに、変な力みをして負けたら困るもん。」

(裕也)「話の内容が見えないんですけど」

(詩織)「つまり、このゲームの賭けにされたのよ。あなた達が負けたら

     あの大男の嫁になっちゃうってわけ。」

(裕也)「よ、嫁って・・・、そんな・・・。」

(新次郎)「だから、お前の配球が命取りなんだ。頼むぞ。」

(南美)「あと、拓也君には内緒ね。」

(裕也)「分かりました。やれるだけの事はやって必ず勝ってみせます!」

そう言うと、裕也は拓也の待つマウンドに向かった。

すると、クリスも来てルールの説明をした。

(クリス)「OK?じゃあルールの説明だ。勝負は三回勝負で三回中、二回勝てば勝ち。 

      フォアボール、デットボールはお前らの負けって事で。

      意外と簡単だろ?じゃあ、早速始めようぜ。」

そう言うと、クリスは右バッターボックスに向かった。

(裕也)「じゃあ、ちゃんとクリスを抑えよう。兄さん。」

(拓也)「あぁ。もちろんだ。」

それを聞くと、裕也はホームベースに向かう。

審判は、野球部顧問の松沢先生にお願いした。

全校が見守る中、「プレイボール」が宣告された。

裕也は、インコースに寄った。それを確認すると、拓也は全力ストレートを投げ込んだ。

クリスは回転、スピードから直球だと判断したがあまりにも内側に寄ってきたので避ける風に見逃した。

(松沢)「ストライク!」

それを聞くとベンチでは歓声が聞こえてきた。

(新次郎)「良し!」

(芯)「あいつがインコースのクロスファイヤーを決めた後は、中々止められないんだよね。」

続いて二球目は、アウトロー。

これもクリスは見逃した。

もちろん、判定はストライクだった。

三球目は、インコースのクロスファイヤー。これが、俺たちの配球のセオリーなので迷いもなしに投げた。

クリスは、苦笑いしてバットを振り出した・・・。




                         「バッシーン!!!」






クリスの木製バットは、粉々に折れていた。ボールは、裕也のミットに納まってた。

(松沢)「ストライク!!!バッターアウト!」




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