依頼#10任務終了


大男は、アウロに押され勢いよく尻もちをついた。『レン様、この方は私が引き受けます。アイリとお嬢の元へお行きください。』と大男を見ながらレンに言った。レンは、落としたリボルバーを拾い頷くとそのまま廃墟に入って行った。アウロは、レンを目で見送ると大男の方に向き手を後ろに組んだ『では、デカブツ様のお相手させて頂きます。』とお辞儀しながら言った。大男は、アウロがお辞儀している間に斧を振り下ろした。だかアウロは、目にも止まらぬ速さで大男の後ろに周り後頭部を手で押さえそのまま大男を地面にめり込ませた。『見てない隙を狙うなど卑怯ですよ。』と言いながらゆっくり立ちあがったが、大男は失神していた。アウロは、ため息を付く『やれやれもう終わりですか。だから手を出したくなかったんですよ。レン様』そう言いながらアウロは、暗闇へ消えて行った。

その頃レンは、物陰に隠れながら移動していると『あら、ネズミがいるじゃない!ほら私と遊びましょうよ』と可憐な声と足音と共に聞こえてきた。レンは、声の聞こえた方を見ると背の高い巨乳の殺し屋の女が立っていた、『よく見ると私好みの可愛いネズミじゃない!ねぇ。私と良いことしながら遊びましょう』女は、笑顔でレンに近ずき頭を触ろうと手を差し出した。その時、レンと女との間に数本のナイフが地面に突き刺さる『ねぇ!オバサン、ボクのレンにちょっかいかけないでくれるかな?レンに触わって良いのはボクだけなんだよ!だからオバサン、勝手に触るとその腕飛んじゃうよ?』とエリナがナイフを両手に構え鋭い目付きで女を睨みながら暗闇から歩いて来た。『お前は、さっきのクソガキ!なぜだ?さっきとは、全く気配が違う。まるで凄腕の暗殺者』と女は、レンから数歩離れるとナイフを取りだし、エリナに投げると同時にエリナもナイフを投げた。ナイフは途中でぶつかり合い地面に落ちた。『レン!このオバサンは、ボクが殺るからレンは茉音とアイリを助けに行って!オバサン!レンに手を出した罰を与えてあげるから。』と最後にエリナの声は聞こえなくなり女もエリナを追って暗闇へ消えた。

レンは、すぐに石田の元へ走り出した。

『さぁ茉音様、お嬢ちゃん!君達何処まで逃げるのかな?私を楽しませてくれないと嫌ですよ♪』と石田は、アイリと茉音を追い詰める。

『石田!辞めなよ!こんなことしたらパパが怒るわよ!』『残念ですがお嬢様、社長は、既に天国へ旅だっておりますよ。大丈夫です、お嬢様も送って差し上げますから』と言いながら石田は茉音達を追い詰めていく『まぁ先にそこの役立たずの殺し屋の一味は先に始末してからお相手しますよ。』と言いながら石田はアイリに銃口を向け、『さよならお嬢ちゃん』と発射しようとした瞬間、(バーン)と石田の手が撃ち抜かれた。『ゴメンおじさん余りにもモタモタしてから撃っちゃた。』と横の暗闇からレンが歩いて来た。

『お前は!なぜだ!死んだはずなのに!』石田は、撃ち抜ぬかれた手を押さえながら言った。『それが色んな人が力を貸してくれて見てのとうり、僕は元気だよ♪ゴメンねー期待を裏切っちゃって、代わりにおじさんが旅立ちなよ。』とレンは笑顔でリボルバーを石田に向けた。

『引っ掛かったな馬鹿が』と言うと石田はポケットからリモコンを取りだしスイッチを押した。するとレンの横から隠しハンドガンが起動しレンの頭を撃ち抜いた。レンは、そのまま後ろに倒れた。

『やった!、最強の殺し屋を私が、私の力で殺って挙げた!』と石田はその場で飛びはねながら喜んだ。

茉音は、愕然としその場に座り込んだ。だがアイリはじっとレンを見つめていた。『おぃ!ガキ!お前の仲間はもういない!次はお前の番だ!』と石田はリモコンを操作し、銃口をアイリに向けた。それでもアイリは、じっとレンを見つめた。『じゃな、お嬢ちゃん♪』と石田が言いながら押した。だがハンドガンは、起動しなかった。石田は、不思議に思い何度もスイッチを押した、だが動かない。『くそー壊れたのか』と石田はリモコンを地面に叩きつけた。

『ダメだよ。おじさん物にあたっちゃ』と言う声に石田は青ざめながらレンをみた。そこには笑顔でレンが立っていた。『今度は僕の番だからね』とリボルバーを石田に向けた。『嫌だ!死にたくない嫌だー!』と石田はパニックを起こしその場から逃走した。レンは、石田を追わず茉音を見て『どうする?お父さんの仇討つ?』とレンは、茉音に聞くと茉音は、『お願いします。』とレンに頭を下げた。レンは、笑顔で頷くとその場からリボルバーを発射した。そして既に90㍍離れた石田の後頭部を撃ち抜いた。

レンは、石田撃破を確認するとリボルバーの弾を変え上空にペイント弾撃ちエリナ達に任務終了の合図を送った。

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