依頼#5禁忌を侵して



レンは、手帳を閉じると静かに立ち上がり、目を閉じる。決意したかの様にゆっくり眼を開けた。足に装備したナイフで指を少し切り地面に一滴の血を垂らした瞬間周りの時間が停止した。そしてゆっくり茉音に近ずき再び血を茉音の口に垂らした。すると撃ち抜かれたはずの胸の穴がふさがった。ふさがる事を確認した後、元の位置に戻り足で地面の血を消した瞬間止まった時間が再び動き出した。すると茉音が目を覚ました。女子生徒は、目を覚ました茉音に抱きついて喜んだ。レンは、笑顔で茉音に近ずき、『岸谷茉音さんですよね?少し話しがあるのですが。』茉音は、無言で頷くとゆっくり立ち上がりそして誰もいない所に移動した。

レンは、茉音の方を向き『まず始めに、僕は、レン・ザード・レックス。簡単に言うと殺し屋です。貴方のお父上からの依頼で護衛するためにカナダから来ました。』『護衛?』茉音が驚いた顔で言った。『そう。でもついさっき君は、銃弾に撃ち抜かれて死んじゃたんだ。僕ら一族の呪いの力を少し分けたから傷が治りやすくなってるの。でも、不死じゃないから再び重傷な傷を負うとそのままサヨウナラになるってわけ。それが無いように僕が護衛するから安心してよ。』レンは、笑顔で言った。茉音は不安そうにうつむいた。レンは、茉音に不安を押しつけるかの様に『これから僕もこの学院の生徒になるからよろしく♪後、住む所も僕の家に引っ越してもらうから。夜でも近くいるよ♪』と笑顔で言った。

『ちょと一つ屋根の下で二人きりなの?』茉音は、頬を赤らめながら言った。

『あっ大丈夫だよ。家には、君の個室も在るし、トイレ、お風呂も君専用があるし後、僕の妹やメイドも居るからさー残念ながら二人きりじゃないんだ、ごめんね♪』レンが言った。茉音は、驚いた様子で頷いた。

学園のチャイムが鳴り、レン達は学院に急いだ。『それじゃ僕は、少し用あるから教室でまた会おうね♪』レンは、茉音に笑顔で手を振り、男達が倒れた場所に走って行った。茉音は、レンを見送りそのまま教室に走り出した。

レンは、男達の近くに置き忘れたアタッシュケースを取り、警察が到着する前に学園に入った。

レンは、そのまま学園長室に向かった。学園長室には、既に理事長も来ておりレンを迎え入れた。学園長達は、レンがこの学園に来た理由そして殺し屋であることは、知っていたのだ。

『レックスさん、我が学園の生徒をどうか宜しくお願いします。学園も出来る限りの力を貸します。』女性の学園長と理事長が頭を下げながら言った。

『いえ、こちらこそ。朝は少し騒がしてしまい、すみませんでした。それから、これは僕の入学金など、後はほんの気持ちです。』とレンは、アタッシュケースから大きな包みを取りだし机に置いた。包みには、8億入っていた。

学園長達は、顔を見合わせながら驚いていた。

『では教室の場所は、分かりますね、学生手帳です。後、発砲許可も出ていますよ』と理事長が手帳を渡しながら言った。

レンは、笑顔で受けとると『では失礼します。』と一礼し学園長室を後にした。

レンが教室に着くと廊下に女性の担任の先生がレンを待っていた。担任の先生は、レンにきづくと駆け足で近かよって『君がレン君?私は、担任の木ノ下唯です。』木ノ下は、おどおどしながら言った。レンは、笑顔で手を差し出すと『よろしくね、唯先生♪』と笑顔で答えた。レンが殺し屋とだけは、聞かされていたため凄く怖がっていたようだ。だがレンが想像と全く正反対の姿と可愛い笑顔で母性本能をくすぐられたのかうっとりしていた。木ノ下は、すぐ我に返り『では、わたしが呼んだら入って来てください。』と笑顔でレンに言った。レンも笑顔で頷くと木ノ下は再びうっとりしていた。

教室に入った木ノ下は、クラスの生徒の方を向き『今日は、カナダからきた留学生を紹介します。ちなみに男子なので男子の皆さんは、残念でした。そして女子は、留学生君を困らせない様にしてください♪じゃ入って来てください♪』と木ノ下が廊下に向かって言った。するとドアがゆっくり開き、レンが入ってきた。『カナダから来ました。レン・ザード・レックスです♪皆さん宜しくお願いします♪』と笑顔で言うと。さっきまで静まりかえっていた教室が女子生徒の歓声でいっぱいになった。『可愛い!小学生みたい!』女子生徒が目を輝かせながら興奮していた。レンが女子の歓声に埋もれるなか茉音の頭をレーザーが狙っていた。それにきずいたレンは、茉音に向かってダッシュし、そして抱き付くとその場から飛んだ。すると茉音の隣に置いてあった花瓶が粉砕した。レンは、すぐさま立ち上がり懷からリボルバーを抜くとベランダに駆け出し向かいのビルの屋上目掛けて数発の弾丸を発砲した。教室では、悲鳴が飛び交わしていた。

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