第2話

「いや〜、眼福ですなぁ〜! やっぱり魔法少女はこうでなくては!!」


 私はすぐさま魔法少女とかふざけた事を抜かした本に駆け寄ると力の限り踏み付けた。


「ねぇ……」


「あぁっ!  魔法少女とあろう者がこのような事を蛮族ばんぞくに当たる行為をしても良いのでしょうかっ!!」


「ねぇ……」


「いや、否です!! 魔法少女とは可憐で純粋ピュアなものなのです!!!!あぁっ! でも、これはこれで……」


 ドスっ!! っと私はもう一度本の表面を思いっきり踏みつけた。


「ねぇ……訊いてもいいかしら……?」


「はい……。何でございましょう……」


「この服はあなたの仕業……?」


「はい……」


「なら、元に戻せるわよね……?」


「戻せますが……。元々私の話を聞かないあなたが悪いのであって、私は悪くはありません。というわけで、私と一緒に魔法少女として人生を謳歌おうか――――」


 開き直ろうとしている本の前に鞄から取り出したカッターナイフを突き刺した。


「さっさと戻せ……」


「はい……。ですが、その……」


「何……?」


 何か言いたそうに口籠くちごもる本に私は文句を言おうと、すっと睨み付けた時だった。

 突然、緊急避難を報せる警報が学院中に鳴り響いた。


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