第20話
次の日――――妹と共に王宮を訪れ、もとい連行された私はとある少年と
その少年の名はクラウス・フィン・ロンデル。
簡単に言えば、この国の王子様だ。
何故、私がその王子様と謁見しているかというと、リザベルに関しての事だ。
あの後、妹の静葉からある程度の情報を得てはいた。
リザベルの書が王宮の地下に戻った事。
何も話す事も無く沈黙し続けて王宮の人達が頭を悩ませている事。
そして、”雪姫”の事は何一つとして正体が分かっていない事などだ。
「そいつが静葉の言っていた姉の雪葉か……?」
「はい。その通りでございます。クラウス王子」
王の間と言われる場で、気だるげに椅子に凭れている王子の問いに私の隣にいた静葉が答える。
私はというと、
これって何て
何か、敬語の騎士たちが変な目で見てるし……。
「今回はこのような見苦しい姿での謁見で大変申し訳ありません。こうでも致しませんと姉はすぐ逃げ出した上に姿をくらませてしまいますゆえ……」
「ふ~ん……。ま、どうでもいいけど……」
そう言って静葉の言葉に対して、退屈そうに
初めて会ったけど、こんな人が王子で良いのかこの国。
「それで、そいつなら”あれ”をどうにか出来んのか……?」
王子の問いに力強く肯定する妹。
あれとは間違いなくリザベルの書の事だ。
「そうか……。なら、その件はお前に任せる」
「はっ! お任せください」
「だが、その前に――――――」
静葉が頭を下げると王子は
そして、「一つ訊きたいんだが……」ととある質問を投げかけて来る。
「お前……”雪姫”って、知ってるか……?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます