第17話

 某ホテルに一室————


 ロンデル市内でも指折りの最上階のビップルームのホテルの一室にて、ソファーの上で寝そべりながら、先程の妹の話が私の頭の中をグルグルと駆け巡る。


 聞くんじゃなかったなぁ〜……。


 と思うものの……後悔先に立たず。

 今更後悔しても仕方がない。


 とりあえず————


「チェスト!!」


「がっ!!!」


 突然、腹部に強烈な痛みが走る。

 悶えながらも身体を起こすと、リーザが人間体になって決めポーズを決めながらニ ヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべていた。


「隙が多いですね〜。

 そんなんだとあっという間にやられても仕方がないですよ〜。

 魔法少女とは本来————」


 そのままいつものように魔法少女のうんちくを語り始めるリーザ。

 いつもならここでチョップなりして黙らせるところなのだが————あんな話を聞かされるとそうも言っていられない。


「……どうかしたんですか?」


 私の様子に気づいたのかリーザが俯向く私の顔を覗き込んでくる。


 本当ならここで誤魔化したりして、相手を気遣うべきなのかもしれないが……。


 何せ話が話だけあってそうもできない。


 こういう時、私の損な性分があまりにも恨めしい。


「ねぇ……一つ訊いても良い……?」


「何ですか?」


「あなたが…………伝説で語られている。あの獅子崎美希って本当……?」


 だからなのかなぁ……。


 こうやってストレートに訊きにいっちゃうのは…………。

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