第14話

 午後10時ーーーー



 妹に捕縛されてから二時間程経過した頃。

 私は何故か町外れの山岳地帯にあるコテージへと連れてこられた。


 てっきり、いつものように実家に連れ戻すつもりなのかと思ったのだが、どうやら今回は違うらしい。


「お待たせしました」


 のんびり窓越しに月を眺めていると、妹の静葉が湯呑みを載せたトレイを持って部屋に入って来た。

 そして、私の向かいの席に腰を下ろすと、「どうぞ」と湯呑みを手渡して来る。


「..................」


 私は無言でそれを受け取ると、何の躊躇いも無く口に含み、ほっと息を吐き出した。

 すると―――――


「お姉様………」


 突然、真剣な口調で静葉が話し掛けてくる。

 静葉の顔へと視線を移すと、先程までの笑顔は消え、その表情は何かを思い詰めたかのように何処か暗い。


 何か相談に乗って欲しい事でもあるのだろうか。

 と思ったのだが―――――


「“雪姫”の捜索に手を貸して下さいませんか……?」



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