第43話 行き着く脅威

 『気高き独立!!!! 』

 火山の噴火口にしか見えない、クエーサー砲の発射跡の底から聞こえる。

『臣民の義務!!!! 』

 そこにいたのは、一体の異形の巨人だった。

 金色で作られた巨大な人間の顔。天上人の色だ。

 髪や眉毛などの毛はない。

 男とも女ともわからない、スイッチアの平均的な顔が、憤怒の表情で天を睨む。

 爆縮委員会や魔術学園の巨大な生徒とは、比べ物ならないほど巨大な顔だ。

『種族の誇り!!!! 』

 首の下が、ドロドロに溶けた地面を押しのけながら這い上がってきた。

『悲劇!!!! 』

 頭を支える、人間にはあり得ない長い首。

 よく見ると、地中竜の比率と同じだ。

『宇宙の禅譲!!!! 』

 マグマから、丸々と太った胴体が。

 その表面には海中樹の結晶体が、剣山のように並んでいる。

 深海に太陽の光を、次元を超えて伝える結晶体。その中に宇宙の星々がみえる。

 ヘラクレス座・かんむり座グレートウォール。クエーサー砲の正体だ。

『調和された宇宙域!!!!! 』

 胴体を地中からはい上げるのは、人の腕と、地中竜の翼。

 だが柔らかなデコボコがある。

 木々の枝がからみついて形づくられたようだ。

『勇気!!!!!!! 』

 艦隊が砲撃を増やした。

 だが、その爆発さえ小さく見える。

『もう、そんなことはどうでもいい!

 お前達は、大神ボルケーナの加護がなくとも、良く戦った。

 それにならい、ただひたすらに、我らの力を示すため!

 お前たちを、殺す!!!!!!!!!!!!!!! 』


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