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東京都千代田区、霞が関。
そこには、その国の
情報通信事業を主観として、子会社に製薬事業を展開する"
その本社は、霞ヶ関にある。社屋最上階の社長室からは、皇居と国会議事堂が一望できた。
今を席巻する勢いを誇る大企業の社長室としてはそこまで広くはないが、備え付けられたインテリアは総じて見るからに高級なレベルに調度が整えられている。
壁を背にしたデスクにはモニターが三台備えられ、その全てが事細かに別の情報を示している。そのデスクの正面の壁は、日経平均とそれを構成する
そんな部屋には、数字が苦手な人間にとってみれば地獄のようなデスクに就き不快そうな面持ちで受話した電話を終話させる男と、デスク前のソファに座って無表情にその男の動向を見つめる女の姿があった。
男は黒い短髪を丁寧に手入れした、仕立てのいいスーツ姿。ビジネスマン然とした格好だが、そのうちにある筋肉が見て取れるような体躯をしている。
女は艶のある茶髪をアップロールにした、これもまた丁寧な誂えのスーツ姿だ。身を包むスーツの胸元と臀部は緊張感を禁じ得ないが、腰元は締め上げられたようにくびれているのが、座っていてもはっきりとわかる。
「
ソファの女が声をかける。男は
「…
電話の着信は、部屋に呼ばれ、車でこのビル到着して
「かしこまりました。今回はどのような」
「女を探せ。この後資料が届く。
「では、まずは黄昏街を捜索すればよろしいでしょうか」
「いや、せっかく逃げ出したにも関わらず、あの穴倉にいるのは見つけてくれと言っているようなものだ。施設からそう遠くないところにある破棄されたシャフトの立入禁止テープが破れていたのが発見されたのと、施設からそいつが消えたのが同じく今朝発覚した。人止めが破られていたシャフトは新しいシャフトに通じていたそうだ。ゲートを通らずにメトロに乗っている可能性がある」
「かしこまりました。まずは、こちら側のゲートでトラブルが起きていないか当たります」
「それでいい。直近のシャフトは新宿・市ヶ谷方面行きだ。当たるならばここからが早いな。資料は転送する」
「了解いたしました」
行って
「脱げ、
「…はい」
やはり、電話はタイミングが良かっただけだった。
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